雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

2008-01-01から1年間の記事一覧

ロビー活動じゃ勝てない!

ネットで薬を売れなくなる件は気にしているが、本業と直接には関係ないので動けていない。というか難しいんじゃないかな。もともと医療・製薬業界って薬や治療法の許認可だけでなく保健医療の医療費・薬価を国が決めているから政策の裁量が非常に大きく、IT…

タクシー再規制に関する論点整理

年越しエントリーを書く前に、タクシー問題について頭の整理を終えておきたい。僕の基本的な認識としては、タクシー乗務員の待遇改善を目的とした需給調節は筋が通らないが、最低賃金など基本的な労働者としての権利、安全確保のために必要な労働環境を確保…

2008年を振り返って

今年は国会の参考人招致などネット規制への対応、改めて実名への転換、AMNへの参加、日経IT+PLUSでの新連載など、ブロガーとして大きな転機を迎えた1年だった。これからもアクセス数より読者や議論の質、現実との関わりを模索していきたい。得意分野に立て籠…

タクシー乗務員の待遇改善は需給調整ではなく最低賃金法の厳格運用で

地方のタクシー運転手の実入りとかを聞くと、下手をするとコンビニのアルバイトより酷く驚く。しかし乗務員の待遇改善が必要であれば、まず労働基準法や最低賃金法を厳格運用すべきではないか。そもそも問題の発端は、水揚げの減少を増車で補って乗務員の待…

素人としてはタクシーが特別か分からない

タクシー問題懇談会の構造改善計画は興味深く拝見させていただいた。タクシー増車が「共有地の悲劇」のような市場の失敗ではないかという立論は理解できるし、以前からタクシーに対して持っていた諸々の不満が、業界としても議論されていることは心強く感じ…

教育政策に期待する事勿れ

勉学に励んで立身出世って構図は何も戦後に限ったものではない。わたしが学歴不信に陥った中学時代、読んで腑に落ちたのは鷗外の『青年』の一節だった。戦前の方が社会全体の流動性は高かったが、学歴のパイプラインと職業とが深く結びついていたのではない…

給付金より電子マネー減税と消費税源泉徴収を

事務の問題が片付かず、参議院を通す見通しも立たずで、給付金の話が宙に浮いている。貯蓄に向かう懸念が大きい給付金よりは、欧州のように消費しなければメリットを享受できない消費税減税を検討すべきではないか。減税対象を電子決済に限定し、電子マネー…

それは年功序列と処女信仰と妬みの構造みたいな

企業どころか文系の大学教授で博士を持ってるの何割だよ?みたいな世界がある。外務省キャリアのトップノッチは学部中退とか。背景に新卒一括採用・年功序列で入社年次重視となってしまうことの弊害とか、新卒偏重の背景にある処女信仰ってか「異なる価値観…

ワークフェアと次の成長へ向け、統計の整備と外交・福祉への投資を

戦後日本の勤労精神と福祉って、建設・土木をすれば食い詰めないという労働市場のボトムラインに支えられていたところ、公共事業の見直しで底が抜けたにも関わらず、生活保護の運用を見直さなかったから、本当に底が抜けてしまったのではないか。しかし、い…

ヘソクリか借金かより何に散財するか

外為特会ひとつみてもマトモにリスクヘッジしていない訳で、財投特会の金利変動準備金の5%って準備率だって目分量じゃないか。赤字国債を発行せず別の財布に手をつけるのは、その方が辻褄が合うし、そうでなくとも枯れている市場から資金を吸収せずに済むの…

米国以外でも学歴社会は衰退するのか

ポール・グレアムが面白いことを書いている。米国も昔は学歴社会だったのが、大企業から中小企業へと経済の担い手が代わる過程で、学歴が重視されなくなったという。ITは確かに小さな組織をエンパワーし得る。但し米国でどこまで学歴社会が衰退しているのか…

繰り返すがブロッキングは検討段階で実施されていない

毎日新聞が誤った事実認識に基づく社説を出している。ブロッキングは総務省での検討がパブリックコメントに付され、警察庁でも検討中の段階にある。総務省の報告書案にある通り、少なくとも児童ポルノ法改正が行われない限り、電気通信事業法について解釈を…

票目当てで教育を弄ぶ愚

騒いでいるのが政治家や野次馬ばかりで、教育者や保護者の視点が欠けていないか。学校へのケータイ持ち込みを禁じるかは学校が、子どもにケータイを持たせるかは保護者が決めることで、関係のない政治家や年寄りに口出しする資格はない。 政府の教育再生懇談…

薬のネット販売 ルールは必要だが省令改正での全面規制は姑息

埼玉の自殺未遂事案は楽天に出店していた薬局が製薬会社の指示を守らなかったことが問題で、薬のネット販売を規制する「薬事法施行規則等の一部を改正する省令案」を何ら正当化するものではないし、2年前の事案が今になって表面化したことに強い作為を感じる…

「.日本」ccTLD導入は傍迷惑だが賛成

情報通信審議会 インターネット基盤委員会で「.日本」ccTLD導入について議論されている。個人的には「.日本」以前に国際ドメイン名が気に入らない。紛らわしい文字はフィッシング詐欺の温床だし、Punycodeとか意味不明だし、古いブラウザや電子メールで使え…

就活中の学生を守るため政治にできること

衆院を通過する見通しの立たぬ法律を批判しても詮無いが、まさか与党で変な声があるといけないので。緊急雇用対策関連4法案について、他の3法案は緊急時の措置として理解できるが、内定取り消しを規制する「労働契約法改正案」は最悪だ。この法律が通ると企…

日経IT PLUS新連載「インターネットのトリレンマ」開始

今月から月1回、日経IT PLUSの連載をはじめました。初回は先日のWikipediaブロッキングを巡る騒動と、児童ポルノ規制へ向けた日本の動きについて解説しました。 今月6日、英国からWikipediaの更新が難しくなった(現在は回復)。ことの発端は1976年発売のス…

日本でヘイトスピーチが規制される可能性

ブロッキングを目的としていないので深刻ではないが、青少年ネット規制法の民主党案横書きで、有害情報として「性又は暴力に関する情報であって人の尊厳を著しく害するもの、著しく差別感情を助長する情報その他人の尊厳を著しく害する情報」が例示され、与…

アボセンスについて頭の体操

アボセンスは契約解除の通知が一方的であること、これまでの債務まで一方的に破棄されてしまうこと等が問題だと感じていて、少し調べてみた。お金を受け取る契約なので消費者契約法の対象外で、事業者ではないので下請法の対象外と思い込んでいたが、改めて…

ひとつの時代の終わり

昨年の春に議論したことが秋には実現してしまい、あまりの展開の早さに愕然としたが、改めて夏野さんに断言されると感慨深い。官製不況との誹りを受け、メーカーなど昔のモデルに戻せと働きかけているようだが、販売報奨金に手をつける決断をしたのはキャリ…

誰が悩み、どう決めるのか

そういうことなのですが、悩みながら経営者が決める他ない問題だと思うんですよね。で、制度で正規と非正規って切り方をして、前者だけ整理解雇4要件で強く縛るのは如何なものかと。ではどういったルールをつくるべきか。経営者の判断を尊重すべし=およそ解…

「ただ働き」は三文の得

僕がこの業界で何とかやってこれたのも予備校時代、秋葉原の当時ぷらっとホームの下にあった日立ソフトのショールームでのただ働きがきっかけだ。「謎の予備校生」として連日入り浸り、デモ環境つくったり、調子の悪いPCを直す代わりに諸々教えてもらった。…

環境に慣れたら拾いものじゃん

就職活動の時期に急拵えの何とかになりたいとか、それしか思い浮かばないだけで、本当になりたい訳じゃない気がするんだよねー。で、仕事くらいいっかってなっちゃうくらいプライベートが満足なら、それはそれで幸せだし。まあ、慣れた環境から突然放り出さ…

情けはロスジェネの為ならず

実際、米国の産業で起こったことはMBA上がりとか超高給ハイフライヤーと、ワーキングプアとの二極化だった訳だ。IT業界じゃIBMとかHPとか終身雇用を社是として掲げていた企業が90年代を通じて陥落し、古き良き米国の雇用慣行の生んだ中産階級は、ビッグスリ…

ロスジェネは共闘できる

Chikirinが僕と赤木智弘の間に横たわる越えられない壁について分かりやすく整理している。で、論壇なら人口に膾炙しやすい話題を軸に自説を唱えて固定読者に溜飲を下してもらうのが仕事かも知れないが、そういう年寄りの趣味に付き合っている余裕はない。僕…

23兆円の緊急経済対策

この記事を読んだだけでは効果が分からないな。失業者への住宅供給は評価できるが、非正規労働者対策の強化って何をやるんだろう。公的資金の注入枠は重要だが増やしたところでブタ積みとならないか。銀行が増資を予定し、大企業が銀行に回帰するなか小口案…

GM後の世界

UAWの軛から解き放たれ賃金水準は日本メーカー並みに。DARPA Challengeの成果とか民需転換されて自動運転の技術を競うファブレス自動車メーカーが雨後の筍のように生まれ、中国やインドの工場で1万ドル以下の電気自動車を生産すると発表。金融が正常化して北…

問題は内定取り消しより新卒偏重では

正社員だって整理されちゃう時代なら、内定を取り消されたって仕方ないだろって気もする訳ですよ。で、問題は内定取り消しそのものじゃなくて、それが今後のキャリアに大きく響いてしまう新卒偏重の方なんだよね。ところが首相のコメントとか労働基準監督署…

gdgdな国、日本

数日前に白金でフランス料理をご馳走になった後、飲み足りなくて地元のバーに顔を出した。雨上がりだし空いてるかなあと思ったんだが、この不景気で普段なら銀座で遊んでいるような人々が結構きているようで混んでいた。カウンターの隣の席に座ったひとがジ…

シューカツ中の君へ

文化系トークラジオLifeの「第二ロスジェネ?就職氷河期の生き方」を聴き終えた。そういえば先月IVSのあと宮崎市街で鳥刺しを食いつつ百年の孤独を飲んでいたら、珍しく妹から電話があって、就職活動の相談に乗ってほしいという。もうそんな歳かよと驚いたの…