雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

書評

『日露戦争 - 勝利のあとの誤算』

以前から漠然と戦前の日本が調子を外したのは日露戦争以降ではないかと考えていたのだが,その通りのタイトルの親書をみつけて早速手に取った.本書で扱っているのは日比谷焼打事件へ至る新聞報道の過熱,民衆を煽る新聞記事に対する政府の発行停止処分や戒…

"Open Business Models"

"Open Innovation: The New Imperative for Creating and Profiting from Technology"の続編.オープンなビジネスというと,オープンソース系のプロジェクトとか周辺ビジネスの事例を手放しに称賛し「これが時代の流れですよ」的な本が多く,足元の商売では…

公僕が牙を剥くとき

本書は耐震偽造事件で会社を失ったイーホームズ 藤田社長による手記である.とてもリアルだったので半日で一気に読んだ.本書には役人が行政の無謬性を堅持し,出口のない問題の露呈を回避すべく,偽のシナリオで問題の幕引きを図るためにスケープゴートを陥…

そこにある格差社会

似たような情景を御用学者が描くのとフェミニストが描くのとでこう変わるのかという風に興味深く読み比べた.どちらもニューエコノミーが格差社会を生み,激務や少子化を招き,働いても報われない仕掛けをつくっている様を描いているのだが,片や原因に焦点…