雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

成熟経済を蝕む仮定法の亡霊

このまま派遣村は定着して正月の風物詩となるのだろうか。年末から正月にかけて経産相が経済団体の幹部を呼び出し「新卒を採ってくれ」と頭を下げ、閣僚が派遣村に顔を出す報道をテレビで見るに、行政がこういった問題と向かい合ったことは政権交代の成果で…

Twitter上のニセ鳩山首相が投げかける波紋

ニセ鳩山首相がTwitterに湧いているという話は今日たまたま寄った役所で聞いて、まあしかし勝手に名乗る分にはIdentity Theftに当たらないんだよねえ、とMSN Spacesのベータ版が始まった折ボスだった古川さんがブログを始めようとしたところsamfは先に取られ…

そろそろ議論すべきユニバーサルサービスの今後

そろそろ通信に於けるユニバーサルサービスの再定義が議論されている頃かなあと思っていたのだが、ICTタスクフォースの中でも隔靴掻痒の議論しか出てこない。津田さんのTLみると多少は「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」…

ライフログ減税で消費刺激と財政健全化への布石を

やっとこさ事業仕分けで1.7兆円を削った矢先に7.2兆円の補正予算とは。国債発行44兆円くらい市場が織り込んでいるとして、税収減で国債60兆円発行とかになっても長期金利は大丈夫か。金利が上がれば借金を抱えた企業は行き詰まり、住宅ローンを抱えた家計も…

なぜ融合法制の国会提出を急ぐのか

一旦は見送りと報じられた通信と放送の融合法制が当初の予定通り2010年通常国会に提出されるという。融合法制は自民党政権下での数年に渡る検討とパブリックコメントを経て、直ちにネット規制に結びつく要素は見直されたが、法律の構成としては今後の法改正…

12月7日 Web学会シンポジウムの基調講演に登壇

昨日あわてて講演概要を書いて何を話すかは考え中。ところでWebって人々の社会的な活動がこれほど生ログに残って解析可能となり、リコメンドとかUIの刷新で仮説検証のフィードバックを回せるようになったのって初めてのことだよね。Webが社会を変え、その社…

日経ITPLUS:「事業仕分け」はネット政治の夢をみるか

事業仕分けのUstreamでの中継、Twitterでの実況は面白かったけど、今後の予算策定プロセスを考える場合に、何を仕分けるか、どう仕分けるか、参考にする資料とかもっとネット・コミュニティを使って知恵を集められるんじゃないか、というようなことを書いた。…

京速計算機について整理と疑問

仕分けから2週間ちょっと経って落ち着きつつあるが結局スパコンはどうなるんだろうか。著名人が反対声明を出せば見直されるという前例となっては何のために仕分けたか分からないし、まあしかし事業仕分けでは大事なことが何も論じられていない訳で、検討に必…

政治的に正しいソーシャルWeb開発に必要な想像力と多様性

mixi同級生を始めたのだが登録で戸惑い、多様な経歴への配慮に欠けていることに驚いた。学校を留年や中退した場合の入力方法が分からないし、あらかじめ用意されていた部活しか登録できず、在籍当時にあった学科が表示されない。きっと開発者は学校を転校も…

京速計算機を巡る論点

ブログ界隈で話題となった京速計算機について、菅副総理が復活に前向きという。事業仕分けでの議論があまりに低次元だったので、これを機にきっちり論点を整理できることは貴重な機会だ。研究競争を勝ち抜くために高速なスーパーコンピュータが必要なことは…

無駄といわれないIT調達へ向けて

行政刷新会議で相次いでIT調達が事業仕分けの対象となり、道路やダムを無駄と切り捨てられた建設業界の痛みが多少は分かった気になっている今日この頃。事業仕分けでの個別の発言を拾うと真っ当な指摘も多々あり、来年度予算で更に抜本的な見直しも考えられ…

個人情報保護法改正へ向けた期待

昨日Twitterでの議論で知ったのだが個人情報保護法の改正が検討されているらしい。ググっても毎日新聞の記事しか出てこないが、他の新聞は取り上げたのだろうか。どういう方向での改正が検討されているかまでは読めないが、個人的には前々から個人情報保護法…

LIBRIeとKindle

無駄遣いを自覚しつつSONY Readerに続いてKindleも買った。タッチパネル中心でシンプルなSONY Readerに対してボタン中心のKindleで随分とUser Experienceが違う。例えば辞書を引く場合にKindleで十字キーを使って辿るよりはSONY Readerで単語をタッチする方…

ブロガーが問う!ネット時代の政治とメディアの新たな関係

10月31日(土曜日)17時から19時まで、駒澤大学中央講堂で、H-Yamaguchi.netの山口さん、ガ島通信の藤代さんらと『ブロガーが問う!ネット時代の政治とメディアの新たな関係』というシンポジウムを行います。みんなの党でTwitterを活用されている浅尾慶一郎…

IT-PLUS: 情報通信法制の再検討は「デジタル融合」時代に追いつく好機

さて今月の「インターネットのトリレンマ」では情報通信法制の再検討について取り上げてみた。放送法や電気通信事業法よりは著作権法で困っていたが状況は改善しつつあるし、プライバシー・コミッショナー制度がなかったり司法を通じた問題解決が欧米より難…

君子どう豹変するかが課題

膨れ上がった概算要求や税収減が話題になっている。政権が変わって1ヶ月、マニフェストについて見通しの甘さは否めないが、政権を取らない事には分からないこともあり、税収減であれ日航の処理であれ前政権からの積み残しでもある。これから財務省や行政刷新…

予算査定のネット公開は日本版Open Governmentへの決定打となるか

2010年度は試験的に内閣府の100億円、2011年度から全面的に予算査定のネット公開を予定しているらしい。予算要求の段階で公開されるとなれば、各省からの要求も国民への説明を考えた内容になり、それぞれの予算要求について内容がどこまで詰まっているか、こ…

政府中枢で官僚出身議員を重用する人事は合理的

昔から官僚や新聞記者は政治家のキャリアパスだから、何をいまさら問題にしているか理解できない。脱官僚と華々しく掲げるから揚げ足を取られるんだろうけれども、右も左も分からない素人を役所に送り込んだ方が飼い慣らされることが懸念され、まず政府に官…

留学生の就業支援は必要だが

件の補正事業について公表資料を確認すると「大学の相談体制の充実など就職支援の強化」13億円、これだけ読んでも何に使うの?って感じですね。執行が中断か停止かも確認できず。仮に執行が凍結されたところで政権交代とはそういうものだし、縦割り云々と憤…

雇用の流動性を一概に論じることは難しい

もっとよく勉強する必要があるが、フリーターが転職を繰り返すのも、新卒で入った会社に何十年もいようとするのも、今となっては経済合理性や雇用規制よりは、思い込みや刷り込みが大きいのかも知れない。大学でのキャリア教育に期待するよりも、欧米のよう…

新卒就職支援事業の執行停止は縦割り行政か

大学講師の末席を汚す者として学生の就職動向は気になるところだが、新卒就業支援の予算執行停止を縦割り行政と批判するのは、ミクロとマクロを混同してはいないか。ミクロ的には教育の質や就職指導が就職率を大きく左右することは論を俟たない。しかし国が…

景気回復の気配と雇用流動化策への思考実験

景気が微妙に上向いているが、こういう時期は仕事が増える割に雇用は増えず、労働条件が悪化する場合がある。サービス残業をなくせれば景気に反応して採用も増える可能性があるが、流動性を高めて景気回復に沿って雇用を増やし、小さな行政コストで効率的に…

人材の流動性って強引に高めるべきか

どうも日本でベンチャーが育たなかったのも、会社員の多くが自由にブログを書けないのも、ロスジェネが生まれたのも、みーんなホワイトカラー上層の流動性が低いからってのは分かっているんだけれども、それって政策的に流動化できるものなのか、仮にできる…

「政府一元化」の先にある世界

昨年ネット規制への対応に奔走し矛盾を垣間見た者として、与党議員による議員立法を制限する政府一元化をまずは歓迎したい。自民党政権下での議員立法は、実際のところ組織の統制から外れた官僚が、とても閣法じゃ通せないようなクセ玉を、手柄を立てたい議…

欧米で市場が立ち上がりつつある電子ブック

米国出張のついでにソニーの電子ブックPRS-600を買った。電子ブックは1990年代にNEC、2000年代に入ってからソニーや松下が参入するも撤退、それからほどなく米国・欧州でソニーが市場が立ち上げたものの、米国ではアマゾンが急伸するなど動きの激しい市場だ…

クラウド考

このところ方々で「結局のところクラウドに研究開発要素はあるのか」とか聞かれる。で、要素技術は80年代に出尽くしているけれども組み合わせとしては新しいよね、という以上に何がいえるかと考えたときに、逆に「メインストリームの技術は何故1970年代で止…

Gov 2.0を見据えた需要主導のクラウド戦略を

役所から「日本のクラウド振興策をお題目で終わらせないために」の続きを話すようにと依頼を受ける。何を話そうか悩ましいところだが、とりあえず考えていることをブログにまとめて、フィードバックも踏まえた上で考えることにした。

選挙、雑感

民意は数字に表れた。仕切り直しは遅過ぎたくらいだが、産みの苦しみはこれから始まる。

携帯SNSサイトは意外と危険ではないかも

今日18時30分からデジタルハリウッド大学セカンドキャンパスで行われるコンテンツ学会の研究会で「世界のネット・コンテンツ規制と違法・有害情報対策の動向」と題して講演する。昨年話題となった児童ポルノ等のブロッキングの動向、青少年ネット規制法、硫…

難しさを増すAR時代の企業法務

この1年近く議論となっていたGSVだが、運用ルールを策定・公開する方向となったようだ。対岸の火事という訳でもなく、AR的なアプリケーションが増えるに従って企業法務は難しさを増すだろうなと憂慮している。問題は配慮すべき法律の範囲が明確でないこと、…