雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

情報通信政策研究会 準備会合

土曜にSeattleから戻るなり成田から日光へ直行,ICPC(情報通信政策研究会)の準備会合に参加した.情報通信政策といっても幅広く,個々人の関心領域は多岐に渡っているので,第1回会合へ向けてアジェンダを組むのは大変そうだ。
実際に政策に対して意味のあるアイデアを交換するためには,手段や現実性といった制約条件について認識を共有した上で,かなり個別具体的で地味な政策論を展開する必要があろう。しかし,日本ではそういう政策過程についての知恵が広く共有されていないため,どうしても漠とした役所批判めいた話になってしまいがちだ。
マスコミなら書き捨てて読者の喝采を得,商売として成り立てば良いし,市民運動なら周囲の喝采を得,組織として存続できるだけの求心力を得れば良いことだが,産官学で政策をネタに意見交換するのなら,それぞれ別の立場でありながら,互いにbreak throughに繋がるような知恵を融通し合えるような場にする必要がある。そこで何か決まる必要はないが,何らかのPolicy Making Processがはじまるきっかけをつくれなければ,会議としての求心力を維持することは難しいだろう。
専門家による蛸壺的な議論ばかりになるのも考えものだが,ぜひ参加者には単なる問題提起に留まらず,政策過程や政策手段の制約条件について充分に考えた上で,more betterで政治的・技術的にも実現可能な具体的施策を考えていただきたい。その過程で必要な政策過程や政策手段についての知見を得られるようなインフラはICPCで用意する方向で議論されているが,1日のセッションで伝えられることは限られている。わたしも第1回会合へ向けて,もっと政策過程について勉強するつもりだ。