雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

階層の修飾子と翻訳

ところで日本語では言葉の並びに増して助詞が重要だが,部署名でも単なる入れ子構造ではなく修飾子が重要となる。役所なら室・課・局・省などの順,企業なら課・部・事業部・事業本部などの順である。英語でもUnitとかDivisionという修飾語もあるが,ない場合も多い。困ったのはOfficeという修飾語の翻訳で,日本語でオフィスといった時の語感から,室と訳される場合が多い。しかし英語でOfficeというと結構大きな単位で,会社によっては日本語でいう本部を束ねているような場合もある。しかし室とつけてしまうと,日本語の語感として,その下に部や課があってはおかしいのである。どうでもいいことではあるが,Officeの適切な和訳が定着するのと,日本語の部署名から修飾子が消えるのと,どちらが早いだろう。
最近の日本企業の組織変更をみると,グループ長とかチーム長とか,偉いのか偉くないのか分からない人々が増えているので,日本語の部署名も段々と意味を濁したようなカタカナ系のものが増えてくるかも知れない。ディビジョンとかユニットとか,ややこしいことこの上ないが,上下関係や信用度など,それで日本文化の弊害を克服できるのであれば,過渡期としては悪い話ではない。ただ,ひとりの日本人として,部署名・肩書は漢字で短いに越したことはないというのが私の持論である。