雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

携帯電話はなぜ失敗したのか

携帯電話は儲かっているうちが華で,一応まだ儲かっているようだから失敗と決め付けるのもなんですが... CDMA技術はもともと1980年代に軍事技術として開発されていて,この辺は前に「技術の流れを読むには安全保障への理解が不可欠」で書いたので,失敗についてコア技術で米国のリードを許し,世界戦略では欧州GSMのリードを許したことは軽くスルーして,まずは国内携帯端末メーカーの事業継続性の話をしましょう.この点については,まだ勝負はついてないし,これから大きな動きがあるのではないかという淡い期待をしています.

ARPUに支えられたインセンティブで,5万円以上も原価のする端末を1円で撒くというビジネスモデルは日本以外では成立しないし,その日本でさえナンバーポータビリティや電波割り当てによる新規事業者の参入がARPUにどう影響するかによっては,激変の可能性が出てきています.
そんななか,ノキアモトローラもサムソンも30ドルから40ドルをターゲットにBRICs市場で売れる携帯をつくるために切磋琢磨しているところで,日本ではマイクロセルで1Gbpsとか,QVGAは普通になったから次はVGAで行こうとか,iPodに対抗してHDDも載せようとか,そういう議論をしている訳です.ラインナップのハイエンドにそういう端末があってもいいけど,こんなの日本でしか数は捌けないよなー,というセグメントに重心かけまくっているのは,周りからみると明らかに変.
肝心のキャリアさんは海外ベンダとも付き合ってリスクヘッジしているから,このリスクは国内機器メーカーが取っている訳だけれども,じゃあ成算があって主体的にリスクを取っているかというとそうでもなくて,これからもキャリアに気に入られることをしていれば儲かっていたし,腰が引けて目先の競争に負けたら一大事だ,といってアクセルを踏み続けつつ,リスクはリスクとして社内で議論しつつ,そんな日が来ないことを祈っているのかなー,と推察するのですが外していたらスマソ

日本の誇る携帯電話も、ものの見事に世界的に失敗しましたよね。