雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

国策捜査と小泉改革の本質

どこまで鵜呑みにしていいか悩むんだけど,面白い本だった.政策転換のために象徴的な逮捕が必要ということは,ありそうな気がする.それが国のためなのか,検察の功名心なのかは微妙だし,どこかで神様が決めているのではなくて,その時の風向きによってブレーキがかかったりアクセルが踏まれたり,ということは往々にしてあるのだろう.
事件をでっち上げる必要はなく,ハードルを下げるんだ,という説明は,とてもよく分かる.破らざるを得ないルールをつくってダブルバインド状況に持っていき,恣意的に人を動かすのは典型的な政治手法だ.フロムの本でもそんなことを読んだから,別に日本に限った話ではないのかも知れない.
佐藤氏は鈴木宗男の逮捕を「ケインズ主義,国際協調路線」から「ハイエク主義,排外ナショナリズム」への転換と解くけれども,これは面白い見立てだ.しかし,なぜ排外ナショナリズムに世論を誘導する必要があるのかは,ちょっと気になる.

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

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