雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

なんか世の中が怖くなくなってしまった一冊

マオ―誰も知らなかった毛沢東 上

マオ―誰も知らなかった毛沢東 上

ワイルド・スワン〈上〉 (講談社文庫)も良かったけど、これも面白い。CESの行き帰りの飛行機や、返りの飛行機に乗り遅れて泊まったThe Terriblesという悪い冗談のような名前のホテルで読んでて、いや下らない不安とか悩みとかいっぱいあるけど、会社なんかどんなに人間関係がこじれたところで辞めればすむし、*1別に秘密警察とかを気にせずに勝手な話どころかblogを書くこともできるし、暗殺されたり餓死したり拷問される心配はたぶんないんだから、いい時代に生まれたと思って、まぁ大きく構えていればいいなとか思った。
仮に毛沢東のような独裁者になれるといわれても、お産の直後のかみさんを連れて行軍したり、政敵を暗殺したり、あんな気の滅入るような政治はやりたくない。やっぱり、思想がどうとかいうより、あれは人間として特異なんだろうな。けれども、彼もある時代背景と運の巡り合わせでその本性を開花させたのであって、ぼくも環境が違えば、楽しんで嘘をつき、ヒトを陥れ、締め付け、殺し、嘲笑うのかも知れない。いや、もし毛沢東が今時の日本に生まれていたら、適応できずにNEETになってたかも知れないなー、とか、そんな妄想をしつつ、自分はユルい現実を生きているからユルいのだと責任転嫁したくなってきた。

*1:いや、現時点で「俺ってこれでいいのかなぁ」的な漠とした不安があるだけで、誰かとこじれているということはないので悪しからず