雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

寄り道: 経済戦争2.0の帰結

技術戦略とかMOTというのはよく分からない虚しい言葉だ。問題はこの軍拡戦争がどこまで拡大するのかで、InktomiやOvertureをYahooが買ったあたりから視界がおかしくなってGoogleの虚像が大きくみえ始めて、Googleが上場してBallmerが「検索だー」と吼えたり椅子を投げたという噂を立てられてから議論は更にヒートアップし、気づいたら何でもかんでも2.0と名付ければいい雰囲気になってきて、Googleの株価って天井知らずだねー、という話になっている。
Googleは創業者が黄金株を持っていたりガバナンスが特殊なのでよく分からないけど、あれも成長が続いているから許されるのであって、あの速度で成長を維持しようとしたら、いずれ組織が水ぶくれして、社内政治家が跋扈するのではないか。Googleがどんなに今のようなcarefulな採用を行ったとしても、株主からの成長期待に応えるべくリーチを持った企業を買えば、どこかで文化を維持することがとても難しくなるだろう。技術オリエンテッドな採用で歴史を積み重ねた後に、そういう大企業病を味わった他のベンチャーよりも、まだ歴史が浅い割に急成長しているGoogleの方が、社内文化の醸成は大きな試練となる可能性がある。そして期待通りの急成長は全てを癒してくれるけれども永遠に続くことはないから、そういった矛盾はどこかで突如として吹き出す。
どっちにしても企業経営の主役は人間であり、たくさんの人間を動員するための経済が次にあって、技術なんか技術者の支持を集めるための香辛料に過ぎず、戦略に至ってはマスコミ対策用の気の利いた物語に過ぎないのではないか。

Googleの戦略も、実は技術戦争の皮を被った経済戦争なのではないだろうか?技術はすぐに真似されるが、新技術を生み出すには金も手間もかかる。誰かがGoogleの真似をしたとしても、Googleは新技術で先を行く。さらに真似されるとさらに新技術を繰り出す。そうこうしているうちに、ライバルは根を上げ、Googleはますます値を上げる、というわけだ。
(略)
技術を知れば知るほど、戦略技術という言葉が空しく響くのは技術に対する皮肉だろうか。