雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

Winny騒動の抜本的対策へ向けて

なんか香ばしいことが続いている.法務省Winnyの利用そのものが合法だとコメントした.Winnyの作者は著作権法違反幇助で逮捕された訳だが,利用者に罪はなく,コンテンツを公衆送信可能化した発信者が著作権法に違反していることだろう.ところでWinnyはキャッシュを広く撒くつくりになっているから仮に自分でコンテンツを公開していないつもりでも,Winnyにディスク領域を割り当ててキャッシュを公開していれば,Winny上で流通するコンテンツを公衆送信可能化していることになるが,この場合は著作権法違反に問われるのだろうか,それとも著作権法違反幇助に問われるのだろうか.どっちにしても,Winnyの作者と同じくらいには違法性を問えそうな気がする.*1
いずれにしても警察の捜査情報やら自衛隊の情報やらがP2Pで世界中に公開されているというのは異常であって,国際的にも極めて恥ずかしい状況である.それを私物PCは全廃しますとか,念書を取りましたとか,職員に自粛を求めています的な発言しか出てこないのは,平和ぼけとしかいいようがないではないか.もうちょっと実効性のある再発防止策を打ち出せないのだろうか.
JPIXのバックボーン・トラヒックとかみると短期的にはトラヒックが微妙に減っていて,律儀に官房長官のいうことを聞いている人もいるのかなー,よく分からないけどキャリアの中のヒト教えて!的な状況だけど,知名度は確実に高まっていて,このままだとジワリジワリとWinny利用者が増えるんじゃないかな,というのが僕の読みだ.ヒートアップしてるマスコミ報道は,いったいいくら分の広告価値があるんだろうか,とか考えてしまった.いずれにしてもWinny騒動は収まる気配がないし,政府も抜本的な対策を講じているとは言い難い環境にある.

  • Winnyで機密情報を流した公務員は懲戒免職,懲役刑に処せ

意図的ではないから情状酌量の余地があるとはいえ,公務員法で定められた守秘義務に反しているのだから,容赦なく懲戒免職,場合によっては懲役刑に処してはどうか.自己責任でWinnyをいくら使っても結構,その代わり情報を漏洩させたら厳しく処断するよ,という態度を示せるとよい

  • Winnyのバージョンアップを再開せよ

とりあえず金子氏が安心してWinnyをバージョンアップできる環境を整えるべき.共有するデータのファイル名にフィルタをかけて,Winnyフォルダのセキュリティ・ゾーンを「インターネット・ゾーン」に変更するだけでも一定の効果がある

  • 各省庁に抜本的な対策を義務づけよ

機密データの漏洩を真面目に防ぐ気があれば,個人認証にしてもデータの暗号化・複製防止にしても,かなり有用なツールが出ているのだから検討すべきだ.いまのところ防衛庁にせよ警察にせよ,講じた技術的対策のレベルとしては,同じく個人情報漏洩事故を起こしたソフトバンクを遙かに下回っている.ソフトバンク水準のセキュリティを実現するだけで実効的な情報漏洩対策となるし,まさか自衛隊や警察が民間通信事業者並のセキュリティさえ必要としないということはないだろう

法務省の幹部が実質的に使用に違法性が無いとコメントしてしまった。ということは、使用しても問題ないものを開発すると逮捕ですか?
「アップロードは違法であるが、ダウンロードは無罪、逮捕した主犯はアップロードしていた使用者で、開発者をそれを幇助した」とすれば一応筋は通るが、今度は、これと同じことをして逮捕されないものについていちいち釈明していかなくてはならない。

*1:いや別に両方とも有罪である必要はなくて,Winnyの利用が合法ならWinnyの開発も合法じゃん,なに勇み足で作者を逮捕しておきながら身内には甘いのかな?という疑問