雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

悪魔本を読んだ

他人に勧めっぱなしというのも気分が悪いので,悪魔本を買って読んだ.ヨドバシのポイントで買うつもりだったのだが,ヨドバシ新宿店では赤い悪魔本しかなく,その後の予定がガイジンのアキバ案内だったものだからヨドバシ秋葉原店に行ったら,ヨドバシで本を扱っておらず,上のフロアに有隣堂があった.で,泣く泣くポイントを使わずに購入.やっぱり置くべき本を正しく並べてるのは本業の本屋だな.ヨドバシ新宿店はフロア面積こそそこそこだけれども,置いている本のラインナップも並べ方も,素人くさい.
で,買ってから悪魔本がFreeBSD 5.2ベースで書かれていることを知ったのだけれども,threadの扱いとかが大幅に変わった後なので節目としてはちょうどいいというか,いまどきのFreeBSDがどうなっているかを知ることができる.実行コンテクストをprocessではなくthreadに持つようにするとか,考え方としてはWindows NTカーネルにだいぶ近づいてきた.とゆーか突き詰めれば誰も似たようなデータ構造に行き着くんじゃないかな.
まだざっと眺めただけなので感想らしきことを書くべきか悩ましいが,教科書としての出来映えはInside Windowsの方が良い.TCP/IPスタック周りを細かく解説している点は悪魔本の方が良くできているけどね.あと,せっかくFreeBSDならソースコードを追えるんだから,TIPSとしてカーネルデバッガの使い方とか,カーネルのステップ実行みたいな遊び方をきっちり操作方法を含めて書いたらいいんじゃないかな,という気がした.とはいえ悪魔本は「とりあえず押さえておくべきだけど旧いよね」という時代が長らく続いていたのが「細かいところで変わったけど,だいたいこの本の通りだよ」といえる教科書が出てきて,非常に学習環境としては改善した気がする.
この本を教科書にOSを教えて,カーネルデバッガの実習とかちゃんと実施するようなカリキュラムをどこかの大学でやってないか,すごく気になる.とゆーかお役所も人材育成が大事だとかオープンソースに投資するとかいうのなら,これくらい充実したOSの教科書をLinuxベースでつくったりしないのかな.1億もかからないと思うんだけど.
とはいえ学生が先々仕事として商用OSの仕事に携わるかも知れないことを考えると,GPLリスクの消えないLinuxよりは,ライセンスの緩やかなBSDとかでOSを勉強した方がいい気はするけどね.スレッド関連のサポートがボロボロだった昔と比べ,最近のFreeBSDなら教材として全く問題ない.とゆーことは,この本を読んで分かった.ちゃんと世界って粛々と進歩してるんだねー

BSDカーネルの設計と実装―FreeBSD詳解

BSDカーネルの設計と実装―FreeBSD詳解