社保庁は廃止し職員は国税庁へ
あれ，社保庁って解体するんじゃなかったっけ？まあどうせ，年金なんて大して貰えないと端から諦めてる．だから子沢山という訳ではないが．
ところで年金記録問題の本質は杜撰な業務であって，残っているデータの名寄せより深刻な課題は原本さえ残っていない年金支払記録である可能性が高い．とすれば5000万件が云々とか名寄せソフト導入は問題の本質から目を逸らすための見せ球であって，自民党から社保庁に「ともかく参院選を乗り切るために，何でもいいから仕事してるフリしてろ」とでも指示が飛んでいるのかと勘ぐってしまう．ともかく挙証責任を社保庁に寄せてしまえば，後処理は1年で終わるはずもなく，言った者勝ちの水掛け論で泥沼に陥るのではないか．
まあ年金を払おうが払うまいが健康で文化的な最低限度の生活を送る権利は憲法で国民に等しく認められているのであって，分割民営化したところで焼け太りとなりかねない社保庁は廃止して職員は国税庁に吸収し，年金は税方式に移行して生活保護と一体運営するのが筋だろう．クロヨンとかトーゴーサンという言葉もあるくらいで，職員増で所得の捕捉率を上げるだけで馬鹿にならない税源になるはずだ．国税庁の保管しているであろう納税記録は，年金を支払った可能性の状況証拠としても悪くない．*1何十年も前のデータが残ってるかは知らないが．
ところで社保庁といえば税金垂れ流しのレガシーシステムとして以前から名高く，その全容を把握するには一昨年行われた刷新可能性調査が参考になる．年金データの名寄せにしても，そもそもデジタル化の業務フローやシステムの設計に問題があったとして，どうしてベンダの責任は問われないんだろうか．社保庁が自前で要求仕様を起こしたとは思えず，運用保守だけで年間1000億円以上もらって，どうせ仕様から何から丸抱えでやったんだろうから，もっとベンダの責任が問われてもいい気がする．このままじゃあ盗人に追い銭では？
個人的には責任を追及されている社保庁の歴代トップやITベンダもさることながら，IT化を労働強化といって拒んだ自治労や，国民総背番号制反対の論陣を張った左翼論壇の方が罪深い気がするし，もともと歳入庁構想を持っていた民主党は，自民党との責任追及や貶し合い合戦に乗るのではなく，現実的な対案を提示すべきだろう．このままでは参院選が思いやられる．
