雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

ていうかコモンローってLL?

きのうは神田の串揚げ屋で,エンジニア相手に著作権法制談義.
「なぜGoogleYoutubeを日本でやろうとすると著作権法に引っかかるのに,米国では大丈夫なんでしょう.別に中国のような海賊版天国でもないのに」
「やっぱフェアユースとセーフハーバーが大きいんでしょうかね.日本にもプロバイダ責任制限法があるけど,刑事だと免責されないから,Youtubeとかは法的リスクが残るのかな.
米国では議会が法律をつくるから,割といい加減だけど時宜を得た法律がつくりやすいんですよね.日本は官僚が法律をつくるから,どうしても接する機会が多くて声の大きい権利者の顔ばかりみちゃいがちなのかも」
「日本でも議員立法があるじゃないですか」
「あるといっても例外だし,法案をつくるのがすごく難しい.既存の法体系と矛盾がないように内閣法制局が緻密な調整を施します.そう,すごい複雑なフレームワークの上でプログラムを書いて,素人がどう書いてもコンパイルエラーで弾かれちゃう感じ?
たまに議員立法があっても,運用とか考えずにコトバが先行する場合が多いし,つくったところで満足しちゃう訳です.結局,コンパイルエラーは出ないけど,誰かも呼び出されないライブラリをつくるようなもので.
アメリカでは勢いで矛盾のある法律がぽこぽこできるけれども,個別ケースでどの法律を参照するかは裁判所が判断します.つまりプログラムを書くときにはルーズでも許されて,問題が起こったときに裁判所がどの法令や判例を参照するか動的にバインドする訳です.だから議会スタッフでも法案が書けるし,変な法律とか他と矛盾した法律ができるけど,裁判所にジョーシキがあればどうにかなる」
「日本の法律ってウォーターフォールで,米国はアジャイルなんですね.政策過程には何年もかかるし,Googleが1兆円企業になってから検索エンジンを合法化するために著作権法を改正しましょうというスピード感では,とても太刀打ちできない.志ある日本人技術者は,法律が変わるの待たないでシリコンバレーに渡っちゃいますよね」
勢いで話したんで正しいかどうかは知らない.というか認識違いがあったら教えてくれ.
コモンローでも英国はもっと普通という話もあり.実際のところ,どうなんだろうね.