雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

公務員人事制度改革への期待

公務員制度改革について、かなり真面目かつ過激な議論が行われているようだ。本質的には正しい方向性ではあるんだけど短期的には仕事が回らなくなりそうで心配。公務員倫理法のときのように情報の流れが遮断されて政府の政策形成能力は短期的には下がるかも知れない。自民党民主党も自前での政策立案能力が低いし、政務専門職だって個別の政策について専門ではないだろうから、説明に担当の係長や課長補佐を連れて行けないとなると困るのではないか。

政府の「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」(座長・岡村正東芝会長)は10日、首相官邸で会合を開き、閣僚の国会対応を補佐する「政務専門職」を設け、それ以外の国家公務員が国会議員との接触を原則禁止することなどを盛り込んだ答申案が示された。
(略)
答申案にはこのほか、幹部公務員人事を一元管理する内閣人事庁を創設することや、採用試験を総合職など3区分に再編し、キャリア制度を見直すことなどが明記された。

あまりラディカルにやろうとすると流産してしまうか、机上の空論で杓子定規に運用しては弊害も考えられる。人材育成や人材流動のダイナミズムも考えながら、5〜10年かけて軟着陸させるべきだろう。
各省大臣官房から人事権を取り上げて内閣人事庁に移すことは悪くない方向性だ。いまはいくら内閣官房の下に省庁横断的な組織をつくっても、人事権を出身官庁の大臣官房秘書課が握っているために、出向者は出身官庁を意識して仕事せざるを得ない。内閣人事庁が一括管理するようになれば、縄張り争いが減って省庁横断的な組織が機能するようになる可能性がある。だから消費者庁とかの前に内閣人事庁をつくるべきだ。
但し内閣人事庁への権力集中や肥大化が問題という指摘も理解できる。もうひとつの可能性としてはスタッフ人事からライン人事に切り替えてしまうことも考えられるが人材の流動化が前提となる。個人的には政治的で不公正な左遷に対する紛争解決手続きを決める一方で、公務員の身分保障を外すのも一案だと思うのだが。
地味な話だが、どう落ち着くか気になる議論ではある。