雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

風船な基地局

日本でも成層圏プラットフォームという、成層圏に飛行船を滞留させて移動通信の基地局にしようという構想があったが、確か搭載する燃料電池の性能が期待ほど行かず自律的に長期間サービスを行う目処が立たないまま頓挫したと記憶している。これはそのチープ革命版。

グーグルは風船に携帯電話の基地局を乗せて飛ばす技術に注目しているそうだ。飛行船に基地局を乗せる実験は日本でも行なわれているが、これはそれよりさらに安い。風船は、たった50ドル。

楽しそうだなぁGoogle。けれども本気で商用サービスを狙っているかは非常に疑問。たぶんパブリシティ狙いの実験に留まるんじゃないか。あいつら本当に真っ当な移動網を組む気あるのかな。とはいえ、この手の遊び心は僕も大好きだし、こういう記事を読んで夢を持ってGoogleを目指す若者っているんだろうなぁ。
推察するに風船基地局の課題は、高高度を飛ばさないのであれば気候の影響を排除できるか、成層圏プラットフォームと同様に電池の性能が基地局の航続期間を決めることだろう。商用サービスに使おうとすると単価を安くできても運用コストが嵩みそうな気がする。
とはいえ技術として非常に興味深いし、軍事用のアドホック網とか天災など非常時の通信手段としては使えそう。かつて風船爆弾なる非現実的な兵器を実戦投入した歴史を持つ我が国でも研究をとかいいたいところだが、専守防衛の観点から使途を見出せないだろうなぁ。