雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

初代NeXTはMC68030向け

石橋さん最近こういう翻訳やってたんだ−って話はさておき,初代NeXTはPower PCが出る前で,MC68030向けに開発された。Macと同じ石を使っていたからJobsをAppleから追い出したJohn Sculleyが「Mac互換にするなよ」と念押ししている。振り返るにRISCが流行る前って,NeXTだけでなくAppleもSunもCISCOAmigaX68000もMC680x0だったんだよね。後ではPalmとかも。やっぱアセンブラが書きやすいって重要だな。

NeXTワークステーションの中心に、NeXTSTEP OSがあった。このOSはMachカーネルを元にしている。これはもともとNeXTのPowerPC CPU上で開発されたものだが、Jobs氏はIntel 486 CPU上で動くバージョンも作り、これをNeXTSTEP 486と呼んだ。

NEXTSTEPMac OS Xの正統な先祖だ。Cocoa APIの基底クラスが今もNSObjectであることが何よりの証拠だ。歴史だけみればPOSIXWindows APIも長いが,20年前から引き継いだObject Oriented APIが今もLegacyではなく現役で生き残っているって,すげーことだ。
僕はぎりぎり大学時代に黒NeXTを触っている。といっても直方体の方ではなく,ピザボックスでCPUをMC68040に強化してカラー化したNeXT Station Turbo Colorって奴だが。
NeXTの開発環境は魅力的だったが,他社が軒並みRISCに移行してからWorkstationとしては遅くて価格性能比が悪かった。それでFrameworkを切り出してOPENSTEPと呼んでSolarisHP-UXWindowsに移植したり,OSもIntel x86Power PCに移行し,Appleに買収されてから実際Power PCに移行した。数百万円のNeXTに憧れ,学生時代ソフトだけで数十万円するNEXTSTEP486の導入を検討していた僕からすると,MacBookが10万円ちょっとで買えて,Interface Builderも無償ダウンロードできるなんてホントいい時代だよなと思う。
ところでNeXTの資産をAppleに移行する際,CocoaはYellow Boxという名でWindowsにも移植され,Yellowbox for Windowsは僕も触ったこともあるが製品化はされなかった。最近iTunesとかSafariの出来をみていると,Apple社内ではWindows向け開発でもCocoaを使っている気がするのだが,実際どうなのだろう。昨年末ECMA TC45の京都会議でAppleの開発者に聞いたら玉虫色の回答だったのだが。