雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

来週水曜目処に業界案を取りまとめたいので賛同とレビューを

ここ数日ブログを更新できなかったのは、高市私案に対する意見書を取りまとめていたからだ。会社の名前で出しているが、いろいろなひとに手伝ってもらって、かなりの論点を網羅できた。来週は諸々の部会から提案が出そろうので、そのタイミングに合わせて対案をぶつけることが非常に重要だ。
ということで、各部会での議論を意識しつつ、業界で呑めそうな案を準備している。各項目の背景は意見書を読んでもらうのがいいだろう。この提案に賛同いただける会社があれば連絡をいただきたい。業界から出す提案である以上は地雷が残っているとまずいので、水曜まで時間がないが、きっちり詰めることが重要になる。意見書と合わせて読んで欲しい。
(いろいろ指摘をいただいたものを随時反映しています)

違法有害情報といじめ等から児童を守る政策パッケージ (たたき台)

業界としての主張の要点

  1. ネットとテレビ・新聞・電話等の他メディアとを区別しないこと
  2. 保護法益を青少年健全育成ではなく児童の人権に置き、児童の知る権利を護ること
  3. 違法情報には行為規制、有害情報には民間主導による児童保護技術の高度化で対応すること
  4. 特定電気通信役務提供者に対し、行政処分ではなく責任制限を通じて違法情報削除を促すこと

実現すべき政策目標

  1. 違法情報に対する行為規制、有害情報に対する閲覧管理
    1. 民間主導による児童保護技術高度化の促進
    2. 削除の進まない15%の違法情報の迅速かつ確実な削除
    3. 年齢確認の精度向上と年齢層に応じた情報提示の推進
    4. 事務の分担スキーム構築による費用対効果の高い違法情報削除依頼の迅速化
    5. 違法情報を削除しない海外サイト・悪質サイト等の迅速なフィルタリング実現
    6. 名誉毀損など具体的な被害者が想定される情報については、被害者側の民事上の削除・廃棄請求権を整備し、被害の拡大を防止すること
  2. 数年後の法案見直しへ向けて政府として推進すべき施策
    1. サンプリングに基づく社会調査による犯罪被害実態の統計整備の推進
    2. 統計と科学的手法に基づく、違法有害情報と犯罪との相関関係の検証・研究の推進

民間主体の対応

  1. 事業者による違法有害情報対策の改善
    1. ベストプラクティスの共有
    2. 情報リテラシーの教育啓発
    3. 違法有害情報対策人材の育成
    4. 違法情報の削除を依頼する業務の分担
    5. CGM・コミュニティサイト等の安全基準の策定
    6. 保護者の価値観に合わせた有害情報識別技術等の提供
    7. ネットの利便性を損なわない児童保護技術の実現へ向けた研究開発の推進
  2. 窓口機関連絡網の構築
    1. 違法情報削除依頼を窓口機関と分担し、接続防止措置の迅速化を図る
    2. 違法情報の識別に資する情報等の一元的な管理
    3. 児童保護技術提供事業者に対する迅速な情報の配信

違法有害情報といじめ等から児童を守る法案 たたき台

目的

  1. 大衆媒体(マス・メディア)の果たす重要な機能を認め、児童が国の内外の多様な情報源からの情報及び資料、特に児童の社会面、精神面及び道徳面の福祉並びに心身の健康の促進を目的とした情報及び資料を利用することができることを確保する (子どもの権利条約第17条)
  2. 児童の福祉に有害な情報及び資料から児童を保護するための適当な指針を発展させること (子どもの権利条約第17条e項)
  3. 児童保護技術の高度化を通じたコンテンツ産業の国際競争力強化

定義

  1. 児童、児童保護技術、保護者を定義
  2. 有害情報は国で定義せず、民間の定義に対し一定の枠をはめる
  3. いじめは有害情報と別に扱い、仲裁対応の推進を図る

児童の通信を制限する権限

  1. 児童に対し通信等を制限する権限を保護者が有することを明示

保護者の責務

  1. 児童のネット利用状況の把握や、適切な児童保護技術の利用
  2. 通信サービス契約時の、児童保護技術の利用意志と主たる利用者の年齢の申請
  3. 前述の権限を児童の利益の保護又は児童による第三者に対する加害の防止のために行使するものとし、自己の利益のために行使してはならないものとすること
  4. 前述の権限の行使について、児童に対して責任を負うこと
  5. 児童の通信の自由及び秘密を尊重し、その情報選択能力を育成すること

国・自治体・事業者の責務

  1. 児童・保護者による主体的な取り組みを支援すること
  2. 保護者による前述の権限の濫用等を防止するために必要な対策を講ずること

国の責務

  1. 児童の権利保護
  2. 教育及び啓発活動の推進
  3. 責任制限等を通じた民間自主努力の推進
  4. 家庭における児童保護技術の利用の普及
  5. 民間による児童保護技術提供業務の透明性確保

携帯電話事業者の責務

  1. 加入契約時の主たる利用者の年齢・児童保護技術利用意志確認義務等
  2. 加入者の同意に基づく加入者年齢層情報の特定電気通信役務提供者等への提供

特定電気通信役務提供者の責務

  1. 違法情報削除窓口業務の提供
  2. 違法情報の迅速な削除に対する責任制限
  3. 加入者年齢層情報の児童保護目的での活用と適正管理
  4. いじめ被害児童の保護者・関係者からの情報開示請求等に応諾することに対する責任制限

児童保護技術提供事業者の責務

  1. 保護者の意志に基づく違法有害情報閲覧防止技術の提供
  2. 児童が国の内外の多様な情報源からの情報及び資料、特に児童の社会面、精神面及び道徳面の福祉並びに心身の健康の促進を目的とした情報及び資料を利用することができることを確保すること
  3. 違法有害情報の識別に当たっての技術及び運用の透明性と説明責任
  4. 接続制限先への措置通知と、特定電気通信役務提供者からの異議申し立てに対する適切な対応

通信端末機器の製造販売事業者の責務

  1. 児童保護技術の選択可能性担保と普及促進

責任制限

  1. 報道機関・特定電気通信役務提供者・児童保護技術提供技術者に対する責任制限
  2. 違法情報の削除及び接続防止措置に起因する紛争からの事業者の保護