雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

現象面の改善では小倉さんより僕の方が手を動かしてるんだけど

で、小倉先生はどうすればいいと思っているんでしょうね。僕は違法は川上で、有害は川下で、という原則に立って、政策案の叩き台は出しているし、5社会見を契機にPTAと話し始め、Safety Onlineの改訂も手伝っているし、現象面の改善にはかなりコミットしている方ですけどね。
連休明けには通信プラットフォーム研究会でゾーニングの基盤技術となるOpen-IDやDataPortability.orgについてプレゼンすべく準備しているし、いまはなし崩し的に始まっているコミュニティ巡回監視も、落ち着いたところで通信の秘密との整理をきっちりやる必要が出てくるだろうし。どちらかというと小倉先生こそネット規制反対にの声に対して個別に反対しているだけで、政府が、民間が、何をすべきかについて何も語っていないんじゃないの。

でも,どんなにそれらの部門が頑張ったって,放課後に携帯電話をみれば,少女売春で楽してお小遣いを手に入れましょうというお誘いや,麻薬やドラッグの気持ちの良さを伝えるメッセージが書き連ねてあり,また,少女売春を持ちかけるメッセージや麻薬・ドラッグを売りますというメッセージが書き連ねられており,CGMサービスを利用したが最後そのようなメッセージが毎日大量に送られてくるという状況を放置しておけば,誘惑に負ける子供たちは少なからず出てきてしまいます。

いつの時代も犯罪はなくならないし、それは都市のせいでもネットのせいでもなくて、人間ってそういう生き物なんだよ。だけれども人間は都市を捨てず、建物を捨てず、少しずつ改善しながら寄り添って生きてきたんだ。どんなにネットを監視したって、取り上げたって、誘惑に負ける子ども、知的好奇心や行動力の勝る子どもは出てくる。それは規制したって規制しなくたって、ネットを使わせたって使わせなくたって大勢は変わらない。
問題は、そういうコンマ数%の子たちを救うために何ができて、何はすべきではないかということだ。ネットで人生を誤る人の2桁、3桁以上の数、ネットで人生の幅を広げた子たちもいる訳で、そういう可能性を摘まずに済むようにしなきゃならない。これはバランスの問題であって、少なくとも僕は現象面の改善は拒んでいないどころか、小倉先生よりずっとコミットしている。
高市案の問題点は前にも書いているけれども、政府に広範な裁量権を付与し、極めて高い行政コストがかかる一方で、効果が全くはっきりしないことだ。もっと法的輪郭がはっきりしていて、政府による濫用の虞が小さく、費用対効果の高い政策を考えなきゃならない。あの法案の問題は、子どもを護ることを口実に特定の考えを誰もに押し付けようとしていたり、保護法益を曖昧にして濫用の余地を大きく残しているところにある。
高市案に反対することと、ネット規制そのものに反対することとは全く別の議論であって、多くの事業者が違法情報対策を強化するネット規制そのものに反対している訳ではないし、有害情報を子どもにみせないために投資している。で、小倉先生は国なり民間なり保護者なりが具体的に何をやるべきだと考えているのだろうか。そして、小倉先生ご自身は何かしているのだろうか。