雑種路線でいこう

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世界に冠たる毒ガス自爆テロ大国 - 日本

硫化水素自殺は巻き添えが起こる蓋然性が十分に証明されているんだから、個人的には自殺ではなく毒ガス自爆テロに分類すべきだという気がする。米国じゃ12歳少年のデスノートごっこもテロ扱いだからな。日本って日本赤軍自爆テロなるパラダイムシフトを中東に齎し、松本・地下鉄サリン事件で世界初の毒ガステロが現実化し、とうとう世界に先駆けて毒ガスのチープ革命を達成し、連日のように毒ガス自爆テロが報道されている、世界に冠たる毒ガス自爆テロ大国と捉え直すと実に物騒な感じ。
いちおう政治性ゼロだから自爆テロというとミスリードなのかなあ。けれども政治的テロが本当に政治性の問題なのか、実のところ実存とか承認欲求の問題じゃないのかという点は大江健三郎が『セブンティーン』とか『政治少年死す』*1で追っかけたテーマだし、中学の卒業文集で自殺願望を発露するような小説を書き、ちょうど17歳だった予備校時代に道を誤ればテロリストになるんじゃないかと心配されて沢木耕太郎の『テロルの決算』を勧められた僕が振り返ってみるに、どっちも本質的には実存の問題であって、政治性は正統性を獲得するための建前という気もする。根が実存の問題だからこそ、自殺者を斟酌し過ぎる報道が却って自殺を促しちゃうんだよね、たぶん。

もんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんのすごく個人的な印象論で申し訳ないんだが、最近電車への飛び込み自殺が少ない気がする。以前であれば、週に少なくとも1回は人身事故による遅延に巻き込まれていたんだが、ここ最近はそういうことが一切ない。皮膚感覚としては、飛び込み自殺は減ったような気がするのだ。

そうそう、僕もそんな気がしてたんですよ。この辺は、落ち着いたところでちゃんと検証する必要があると思うんだよね。今年の自殺者数が増えてるか減ってるか。僕はそんなに増えてない気がする。というか、年間3万人のうち硫化水素で亡くなられる割合は、多くて数%だろう。周囲を巻き添えをする方法だって分かり切っているのだから、良識ある大人は選ばないだろう。自殺を選ぶくらいテンパってるんだから、そこまで世間に配慮するかとか、よく分からないけど。

ベストセラー『完全自殺マニュアル』(鶴見済著)では、自殺するのに最も合理的な方法は、「首吊り」だと書いてあったが(「人類の偉大な発明」のように評されていた)、こうして考えてみるとあらためて鶴見の指摘は的を射ていることがわかる。

うーん、それは微妙。統計をみると日本じゃどの世代でも首つりが過半数を占めてるんですけどね。だけど死んでから排泄物が垂れ流しになったり、みるも無惨だし片付ける人も大変という話もあって、みたこともやったこともないので、実際どうなのかは知らないけど。
僕も高校生くらいの頃、興味本位で食い入るように「完全自殺マニュアル」を読んだけど、ああいうサブカル的なノリってどうなのかなぁ。けど、僕は鶴見を読んで死んだ奴より、太宰とか読んで死んだ奴がずっと多い気がするし、目くじらを立てるほどの話じゃない気はするんだけど。

一昨年に起きた中高生の自殺ラッシュへの過剰反応もその面が強いと思った。実際には、中高生は毎日コンスタントに自殺しているのが普通なので、「自殺報道ラッシュ」というのが適切だろう。

日本での自殺者数が年間3万人で、その約2%が未成年ってことは、年間600人近く、平均すると1日1〜2人は自殺している訳か。毎日コンスタントにあるのか、増減の波があるのかは気になるところ。結構メンタルな問題だから天気とか月の満ち欠けといった自然とか、自殺報道とかの影響も結構あるのだろう。とか思っていたら、内閣府自殺対策白書の内容が充実していた。曜日でいうと月・火の順に多く、土曜が最も少ないとか、以前は4月が多かったけど最近は3月が多いとか。時間別では深夜0時代と朝5〜6時台にピークがある。自殺者の世代をみると経済的理由が多そうなので、月別、曜日別だけでなく、日付別にすると、給料日前後が少なく決済日前後に集中しているとか傾向を取れるんじゃないかと探したが、そういうグラフはなかった。
どっちにしても日本は豊かさの割に自殺が多すぎるし、それは別にネットの影響ではなく、文化風土に根ざした難しい問題なのだろう。

*1:僕は予備校時代に国会図書館でコピーしたのを借りて読んだが、いまどきググれば出てきちゃうとは、ホント便利な世の中だよね。大江健三郎はまだ生きてるけど、頼んで青空文庫に収録できないものかな。