雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

ネット規制の議論は次の段階に

高市先生がご自身のサイトで私案の横書き全文を掲載された。これは素晴らしいことだ。最初からこうしていただければ、もっと早い段階からオープンで建設的な議論ができた。先週の公表に対して様々な見方があるが、調整の俎上に乗っていれば、今も詰める過程で文言が更新され続けているはずで、党内での扱いは推して知るべしだろう。
早い段階で公表されてネット上で細かいところを詰めれば反対運動を惹起するリスクはあるが、もっと早い段階で多くの人々が受け入れられる修正も模索できたのではないか。どれも私案なのだから制度上の障壁は何もない。推察するに、詰まっていない段階で公表すると調整の自由度が狭まるとか、単に誰もやってこなかったこともあるのだろう。
今国会で通るにせよ時間切れになるにせよ、法案に限れば論点は出尽くしているし、これからノイズを上げて状況を大きく動かせる状況でもなさそうだ。筋の通った法案であれば今国会で通った方がいいと今も考えているが、法案を通せば数年間は様子見になるだろうという見通しは甘かった。
今日の教育再生会議の動き然りネットに網をかける方法はいくらでもあるし、何か事件が起こればネット規制法見直しの議論が思ったより早く生じる可能性はある。その時に改めて高市私案のエッセンスが再び議論の俎上に上がることも考えられる。高市私案が公表されたことで、いま議論されているネット規制法が何を規制していないかが浮き彫りとなるからだ。
法案がどう転ぶにせよ、ネット事件に対する政策パッケージ全体の議論はこれからだ。民間自主努力や政府の予算措置など、制度に魂を入れる細部の議論がこれから始まる。これから何か事件が起こる度に規制すべしという議論が沸き起こることは避け難い。
これらに対して先回りして詰めておくと同時に、そもそも政府の違法有害情報や新技術に対する態度について、原点に立ち返った議論も必要だ。また今回は草の根的に事業者間や団体で議論が進んだが、継続的に精緻な検討を行う必要があれば、その枠組みも考え直す必要があるだろう。