雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

蟹工船が平積みとなった挙げ句のアキバ事件か

いくら不幸だからといって暴発して他人を虐殺していい正当性はない。けれど日本が貧しかった時代は年間200件近くこういう事件が起きていたというし、若者を切り捨てた時点で確率的にこういったことが起こることは十分に予想できたのではないか。ナイフ規制も別に構わないけど、官房長官には小泉政権時代に製造業派遣を認めた件と今回の通り魔事件との関連にも是非コメントいただきたいところではある。
天漢日乗: 秋葉原通り魔殺傷事件(その6)容疑者は日研総業の派遣社員で裾野市にあるトヨタグループの関東自動車工場勤務 6月一杯で辞めるよう通告を受ける

この部分、私が電話で父親から聞いていた話と食い違う。
少なくとも工場の正社員は6月30日付けで派遣はすべてクビと認識していたようだ。
期間工は契約更新しない形で順次数を減らすということ。
最終的には、正社員以外はすべて解雇する。

拙著『戦前の少年犯罪』に「戦前は通り魔がやたらと多いのが特徴で、ほぼ毎日、全国どこかの新聞で記事を読むことができます。」と書きましたら、この表現が大げさではないかと引っかかる方がいたようですので細かいことを記しておきますが、私が目にしたものだけで年に200件は通り魔の記事がありまして、私が読んでいるのは全国の新聞の半分もありませんから「ほぼ毎日」というのはほぼ正確だと思われます。

例によってネットやゲームと関連づける規制派もいるだろうが、相関でいえば若年不安定就労と犯罪との因果関係の方が明らかで、銃刀法改正の前に若年就労対策や派遣業法改正を打ち出すのが先ではないか。経済界に対する遠慮でもあるのか勘繰りたくなってしまう。
資源高で潮目が変わりつつあるこの時期に、いきなり製造業派遣を見直すことは難しいにせよ、職業訓練やジョブカード以外にも若年層の能力蓄積に対して企業・社会が投資する仕掛けを増やす必要がある。今回の容疑者のように雇用保険から零れ落ちた層の職業訓練も、早急に措置する必要があろう。
ネット掲示板への犯罪予告については事前に通報があった可能性があり、事業者団体に通報を依頼するだけでなく、通報処理の迅速化を考えることが重要だ。こういった違法情報や有害情報と違う兆候情報の扱いについて自殺についての対策は先行しているが、犯罪予告等の発信者情報開示も緊急避難という扱いがいいのか、記述とリスクとの見極め、手続きを迅速化する方策があるか等の議論を要する。
海外では早くから格差社会と関連づける論調もあるが、日本で情緒的な報道とオタク批判、ネット批判、ナイフ規制といった斜め上の展開をみせる能天気ぶりには呆れてしまう。