雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

IPv6でNTT東西の地域IP網が繋がっている件

IPv6では地域IP網がNTT東西で繋がっているのね。id:tomochaフレッツ.NETとフレッツ光プレミアムの間でsshを使えたというので調べてみると、一昨年の段階で活用業務申請が出ていた。東西をまたいで事務所のある会社とか、これを活用すれば通信費を大幅に下げることができそう。
もう少し詳しく説明すると、NTT東西のサービスって原則としてはNTT法で県域規制がかかっていて、県を超える通信サービスを提供する場合は活用業務申請というのを出す。それが他の通信事業者の事業を圧迫しないという話になれば、活用業務として認可される。この仕組みのお陰で、今や東京大阪にルータを置くだけで全国規模のISPを運営できるようになった。で、IPv6に限れば東西の垣根さえなくなっているらしい。
個人的にはインフラ会社を2つに地域分割した理由が全く理解できないし、ISP専業事業者が山ほど必要なのか疑問だ。いまはPPPoEを使ったPOIで問題になっていないが、トポロジに配慮したP2Pピアを組むP4Pが実用化されるとISPをPPPoEで収容することの馬鹿らしさが顕在化してくる。フラットにネットワークを組んでいれば地域で終端されるべき同地域・異ISPトラヒックが、POIが東京・大阪にしかないせいで、東京・大阪の折り返しになってしまうからだ。地域IXをつくる前にPPPoEを捨てようぜ、ということである。それともIPv6 multiprefix問題をどうにか解決した暁には、P2PトラヒックだけケチなISPには投げず地域IP網やNGNでInter-ISPで地理的最適化されたトポロジを組む、みたいな方法も考えられなくはない。
何故そういうことを考えているかというと、フラッシュメモリのHDカムコーダとか増えてきて、HDレコーダ間で撮った映像を数GB単位でガツガツ交換する仕掛けとか出てくるかなぁと期待した矢先、アップロード1日15GB、30GBで利用停止といった阿呆みたいなトラヒック総量規制の話が出てきたので、いよいよ法規制で無理に弱小ISPを残しておくことのデメリットが顕在化してきたよなぁ、と思うのだ。否、NTT独占だったらもっと厳しい帯域制限とかトラヒック総量規制の話になったところ、JAIPAが頑張って自由なインターネットに踏み止まったんですよ、という話もあるのかも知れないし、その辺の政治構造の捩れはもうちょっと熟慮を要するんだけれど。
その辺の政治学はタラレバの議論だから引き続き考えるとして、技術的なトポロジの合理性とミクロ経済学だけで考えると、ISP補助金をつけてまでIPv6対応投資を促すよりは、IPv6については規制を外して自由にビジネスできるようにしてしまって、IPv4の世界に留まりたい人々は放置しておけばいいんじゃないかなー、とか思う訳ですよ。ホスティング事業とかは引き続きIPv4で続くだろうし。
東京・大阪でのPPPoE終端って、人為的にトラヒック集中を起こしている訳だから。アクセス網の競争は、電力、ガス、WiMAXLTE、大手CATVだけで十分に担保できる訳で。中小ISPとか買収され損ねたCATVの行く末って、結局のところ道路とか地方民放と似たような問題なんだよね。