雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

消費者行政の暴走と、記事隠蔽の痕跡

毎日.jpの記事とYahoo!ニュースへの配信を読み比べて欲しい。毎日.jpの記事からは、以下の重要な段落が消されていることが分かる。*1

国民生活センターの統計では、こんにゃくゼリーによる窒息死17件中3件がマ社の商品で起きている。全日本菓子協会によると、こんにゃくゼリーの売り上げは07年度約100億円で、うち約3分の2がマ社。マ社の売り上げの約9割は「蒟蒻畑」が占める。

さりげないこの段落こそジャーナリズムの真髄で、間接的ではあるが以下のことを読者に示唆している。

マンナンライフの製品が2/3のシェアで、事故は17件中3件しか起きてないなら、他社製品のほうが問題あるんじゃないのか?

マンナンライフが製造中止して、仮に他社の類似製品が穴を埋めることになれば、消費者にとって寧ろ事故の危険性が高まる可能性さえ考えられる。消費者重視を印象付けたつもりの安直なスタンドプレーが、結果的には何の法律的裏づけのないまま消費者から選択肢を奪い、ひとつの企業を危機に追いやっただけでなく、皮肉なことに守ろうとしているはずの消費者を逆に危険に晒してしまった。こんな間抜けな話があるだろうか。
毎日新聞は削除された最後のセンテンスについて、仮に統計のミスリード等があったのであれば訂正記事を出すべきだし、削除するようどこかから圧力があったのなら、その事実を公表すべきだろう。せっかくの鋭い署名記事なのに、もったいない話だ。ブログを読んでいると知人たちは蒟蒻畑をまとめ買いに走っているようで、僕も買っておこうか悩む。できるだけ早い製造再開を期待している。

*1:仮に毎日.jpがマスターでYahoo!ニュースに反映されるとすると、読者が読んだ時にはYahoo!ニュースからも消されている可能性も考えられる。