雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

給付金より電子マネー減税と消費税源泉徴収を

事務の問題が片付かず、参議院を通す見通しも立たずで、給付金の話が宙に浮いている。貯蓄に向かう懸念が大きい給付金よりは、欧州のように消費しなければメリットを享受できない消費税減税を検討すべきではないか。減税対象を電子決済に限定し、電子マネー電子商取引の普及を促す。例えば現金決済は従来通り5%、電子マネー電子商取引のみ2%まで減税する。減税対象となる消費税は決済代行業者が小売店に売り上げを支払う際に源泉徴収することで、事務コストを引き下げ、益税をなくし、課税ベースを拡大できる。景気悪化で倒産が増えて消費税の徴収漏れが深刻化しているが、この枠組みなら消費税を低コストで確実に徴収できる。

不況で消費税の滞納が深刻になっている。「資金繰りがつかず、消費税を納められない」という事業者の声が強まり、国税当局の徴収担当者は滞納の増加を実感し始めている。なかには預かった消費税を事業資金に流用したまま、倒産してしまう例もある。

電子決済事業者に対して徴税額分の引き当てと月締めで徴収報告を義務づければ、確実な徴収だけでなく、リアルタイムで消費動向を把握し、経済政策への迅速な反映が可能となる。電子マネー決済でなければ消費税減税を受けられないとなれば、小売店が自発的に電子マネー対応に投資する。端末整備やカード発行といった電子マネー対応にかかる費用の特別償却を認める法人税減税をセットで行えば、一気に電子マネーが普及する。いまは電子マネー事業者が端末整備の費用を負担しているため、各社とも小売店の囲い込みに走り消費者は不便を強いられているが、政策的に共通端末の普及と相互接続の推進を図ることも考えられる。
消費税の年間徴収額が約10兆円だから、全ての取引が減税対象となった場合で年間6兆円の減税となる。実際は現金取引もかなり残るし、課税ベースの拡大による増収もあるので2〜4兆円規模の減税となるだろう。これは単なる減税ではなく、効果的な消費刺激と、小口決済の電子化へ向けた流通業界の投資刺激、消費統計の飛躍的な精度向上を進める前向きな投資となる。将来的には使途や期間を限定したバウチャーの発行などに応用することも考えられる。全ての事務を国が行うのではなく、民間のインフラをうまく利用した方がずっと効率的だ。
益税の解消と正確な消費統計は、いずれ必要な消費税増税へ向けて大きな武器となるのではないか。

貨幣発行自由化論

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