雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

経済同友会の年頭見解が若年雇用に言及

EU労働法政策雑記帳で知ったのだが、経済同友会が「若者が希望を持てる社会の構築に向けて」と題してロスジェネ対策や財政改革について提言している。全体として未来志向でバランス良くまとまっているのだが「農林水産業の高度化やサービス産業の活性化」って穿った見方をすれば、就職し損なったロスジェネは同友会会員の所属企業には入れないよってことか。これから政策的に雇用の受け皿をつくるとしたら、確かにこれらのセクターが有望ではあるけれど。何がロスジェネを生んだかは、議論に当たって再確認される必要があるだろう。

90年代の所謂「就職氷河期」に生じた非正規雇用問題などの構造的課題を解決するために、政治(政府・与野党)、労働界、経済界の3者による検討を早急に開始することを提案する。そこでは、(1)農林水産業の高度化やサービス産業の活性化を促す政策とともに、そのような分野への労働移動を促進する枠組みの整備、(2)非正規雇用に対するセーフティネットの構築、(3)産業構造の変化に伴う円滑な雇用調整のあり方、などについて検討すべきである。

これから第二ロスジェネも出てくるとして、差別禁止の観点から、新卒一括採用、年功賃金といった雇用慣行に手をつける必要性も議論されるべきではないか。そこは政治、労働界、経済界の3者による検討で俎上に上げるのだとして、ロスジェネや非正規雇用の立場を代弁できる労働界って誰だろうか。
明確には指摘されていないが、雇用は流動化どころか液状化しつつある中、未だに健康保険や年金が終身雇用を前提に、会社単位で設計されていることも大きな問題だ。過去の勘定の一元化は難しいにしても、転職者が年金で不利にならないようにするなど、雇用の流動化を前提とした社会福祉制度への改革を打ち出すべき時期に来ているのではないか。
衆議院選挙へ向けて、若年雇用や非正規雇用について、どれだけ議論を深めて論点や対立軸を明確にできるだろうか。