雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

青少年とか健全って何?

法律で青少年の定義って何だっけと政府関係者に聞いたところ、一般に政府による青少年政策の対象は30歳までを指すと教えてくれた。けれども青少年総合対策推進法案はロスジェネ対策だから三十代半ばまで対象だし、青少年インターネット利用環境整備法は青少年を18歳未満と定義しているよね、と話すと、あれが閣法なら青少年という単語は使わなかっただろうね、という話になった。うーん、衆議院法制局で突っ込みが入らなかったのは何故だろう。
もし児童ポルノ禁止法ではなく青少年ポルノ禁止法というと、かなり過剰規制に聞こえるし、児童インターネット利用環境整備法といえば、そりゃあ必要な気がしてくるのが不思議だ。ところで児童という言葉も意外と曲者で、教育現場では初等教育の対象が児童で、中等教育の対象が生徒であるから、児童というと小学生に限定される場合もある。
民主党の使っていた「子ども」という用語も定義は判然とせず、未成年というと20歳未満になるのか。前例やら杓子定規が大好きな法制局が、こと青少年、児童、子ども、未成年の用法について用法の統一を図らなかった背景に何があるか気になる。いずれにしても児童といえば保護、青少年というと健全育成が必要みたいな感じがするけれども、わたしのようなヒネクレ者の落ちこぼれとしては、健全育成って何だよと気になる訳だ。
例えば僕が20歳のころ干支で一回り年上のお姉さまと付き合っていたのとか、17歳で初体験とか、15歳で初○○○とか、眉を顰める向きもあるんだろうけれど余計なお世話だし、生殖能力があって色気づいているお年頃で何もしない方がずーっと不健全という気がする。娘を持っていたらまた違う意見を持ったかも知れないが、自分の息子どもが10代半ばでデートの相手ひとりいなかったら、かなり親として心配するだろう。
わたしは英語の勉強が大嫌いで中学で留年し、高校を中退し、17歳の浪人時代は勉強そっちのけで往年のテロリストや殺人犯と飲み歩いた筋金入りのドロップアウトだから、自分のことを不健全極まりない文学少年と謗られても別に構わない。
しかし同世代で僕よりはるかに健全に、ちゃんと勉強してストレートで一流大学に行き、18歳を過ぎるまで性交渉の機会に恵まれず、健気に生きてきたのに「コミュ力不足」と切り捨てられる世の中をみるにつけ、あまりに健全な青春時代を過ごすのも考えものだな、とも思わされるのである。何というか、虎穴に入らずんば虎児を得ずっていうか、出会って分かること、気づくことって諸々あるんじゃないかと思うんですよね。そこで道を踏み外すリスクだってあるのだし、自分にとって勉強になったからといって一般化できる議論でもないけど。