雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

政府中枢で官僚出身議員を重用する人事は合理的

昔から官僚や新聞記者は政治家のキャリアパスだから、何をいまさら問題にしているか理解できない。脱官僚と華々しく掲げるから揚げ足を取られるんだろうけれども、右も左も分からない素人を役所に送り込んだ方が飼い慣らされることが懸念され、まず政府に官僚出身者を厚く配置する人事は合理的だ。

脱官僚依存を訴えて発足した鳩山政権。各府省の大臣、副大臣政務官の政務三役を中心にした政治主導をスローガンに掲げているが、首相官邸をはじめ、気が付けば政府の中枢を霞が関OBが占有している。果たして官僚の経験をいかして政治主導に反映できるか、それとも「官僚OBによる官僚支配」になるのか。

官僚が省益を守らざるを得ないとすれば、入省した官庁の大臣官房秘書課に下手をすると定年後まで面倒みてもらう主体性なきキャリア選択の仕組みに問題がある。自分の判断で省を離れ、時の野党から立候補した人々に対して役所の紐付きじゃないかと勘繰る感性は理解し難い。自民党に若手官僚出身者が少ないのは世襲ばかり重用した結果に過ぎず、彼らに民主党を批判する資格があるのだろうか。
長期的には官僚出身でなくとも政務について深い知識を得られるよう開かれた政策過程を実現すべきだし、それはOpen Governmentに対する取り組みだけでなく、大学での教育だとか専門能力を活かせる居場所を民間企業などが用意できるかといった問題でもある。
各省ともOB議員を通じて新政権とコンタクトを取っているだろうし、文化を共有している分、話が早いところはあるかも知れないが、子飼いとか紐付きと揶揄されるようなズブズブの関係を築くことは難しいのではないか。昔のように監督する業界を集票マシンとして駆使できる時代でもない訳で。