雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

確かに即戦力=専門家じゃないな

いや実にDanさんのおっしゃる通りでありまして、本当の即戦力はジェネラリストなんですよね。けど、企業でジェネラリストと呼ばれるひとの多くは、実際のところ、その企業のオペレーションとか人間関係とかに長けているだけで、即戦力としてのジェネラリストではない場合が多い気がします。そして、専門家として何かしら通用するスキルを持っていれば、結果的に判断を強いられたり、判断を手助けするような意見を求められる場数を踏んで、そういった意味でのジェネラリストとしての経験を積む機会を与えられやすいということはあるでしょう。最低ひとつの専門を持ちつつジェネラリストとして経験を積む、しばしばT型人間と呼ばれる路線でしょうか。何の専門性を持たず「教えてください」だけでは、なかなか経験を積むチャンスが巡ってきません。昔はそれでも年功序列で、場数を踏むチャンスを与えられたのでしょうけれども。
さて即戦力としてのジェネラリストに求められることは色々とありますが、大局観であったり、問題発見・解決能力であったり、人間に対する洞察力であったりします。今月前半に、ある経営に造詣の深い方が「MBAを出たばかりの若手は帳簿が読めるばっかりで人間とか組織のことが分からない」と嘆いていらっしゃったので「いや人間に興味を持っていたらMBAとかに行かないんじゃないですか?行ったとしても自分で仕事を起こしたりしそうだし。そういう人間や組織のみえない部分に対する洞察って、どういうところにいくと育つんでしょうねー」と返したら、「いやー、無理の利く若いうちに修羅場をくぐるのが一番じゃない?」と返されました。
それはそれでなるほど、と納得したのですが、ボロボロになるか一皮むけるかって紙一重だし、妻子を抱えているとそういうリスキーな選択も何ともなぁ、と考えてしまうのでした。

「即戦力」即「専門家」という誤解は日本だけではなく世界中にあるが、専門家は「専門場」を用意して始めて力を発揮する。砲台が出来て始めて砲兵を呼べるのだし、飛行場なしで空軍の運用は出来ない。本当の即戦力はよってむしろジェネラリストになる場合が多い。