雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

ロボットにもグーグル的な割り切りを

確かにアホな家事ロボットは売れないだろうが食洗機は当たり前になったし、Roombaも200万台以上売れたし、今時のプリウスは車庫入れを自動でやってくれるし、ロボットって意外と身近である。工事現場の巨大建機だって、どんどんインテリジェント化している。人を模倣するから難しいのであって、人をサポート・アシストするだけなら簡単なのである。*1
Googleで検索してもドンぴしゃの回答が帰ってくる訳ではないが、人が情報を探す手間を大幅に減らしてくれる。ロボットも同様で、家事そのものをロボットができるようになるのは難しいが、家事に使う時間を減らして可処分時間を増やすツールを考えれば、まだまだ山ほどアイデアが出てきそうだ。例えば、大事なものに無線タグをつけていれば簡単に定位置を把握できるし、探す手間も省ける。
ロボットに介護されたいひとはいないだろうが、ひとがパワードスーツを着れば小さな負担で介助できる。そっちの方が遙かに心理的障壁は低いし現実的だ。普段つけているチャンネルや、これまでの録画履歴をみて勝手に番組を予約するテレビとか、コグニティブなツールは増えてくるだろう。
では何故、政府がサービスロボットと称してロボットそのものの研究を推進したのか。きっと万博で展示したかったのかな。目的のはっきりしない研究開発の企画って、研究者にとってもつらいものである。米国は市街戦での死者を減らすとか目的がはっきりしている分、状況はだいぶ異なるようだ。日本でも次の万博が近づくまでは、もうちょっと実用化の容易そうな研究へのシフトが進むのだろう。
可処分時間の有効活用という点では、日本の家電や自動車、建機などが強いうちに、これまでの研究成果が何らかのかたちで商用化されることを期待したい。

遠い将来、ドラえもん鉄腕アトムのような超インテリジェントなロボットができれば話は別だろうが、そこにいたるまでの間、アホな家事ロボットが家庭に売れるとはちょっと思えない。むしろ、私の感覚では、「パトレイバー」に出て来るような、工事現場の巨大ロボットを、作業士が「運転免許」を取って動かす、といった世界のほうが余程ありえそうな気がする。

*1:そういう意味でPowersetはハードルの高いことを試みていて、ちょっと心配だ。