雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

必要は発明の母

日本で真面目にクラウド・コンピューティングへの取り組みを表明しているのは楽天くらいだが、米国をみてもGoogleの他はAmazonとかMicrosoftくらい。IBMGoogleと組んで大学向けの取り組みをプレスリリースしていたが自分でやる気があるかは分からず、HPも昔はUtility Computingとかいってた割に音沙汰なし。う、昔NetscapeのMarc Andreessenが立ち上げたLoud CloudってOpswareと名を変えた後HPに買収されてたのね。
何故なんだろうと考えてみると、結局のところデータを扱う超分散処理技術ってアプリケーションのワークロードに深く依存した技術だし、実地で試せるところしか取り組みようがないのか、様々なシステムを請け負うITベンダにとって特化型ミドルウェアの開発ってリスクが大きい割にビジネスメリットが小さいのか。
少し違うが日本にもGRAPEという天文や蛋白質の計算に特化したスパコンがあって、あれも解く問題を絞り込むことで極端に価格性能比を上げたんだよね。たぶん市場で希少なのは技術の蓄積よりは技術者が解くべき問題を提供する場の方なのだろう。重要なのが問題設定だとすると、ITベンダが常に時代の先端を研究開発していることを期待するのはおかしくて、解くべき問題と優秀な技術者とのマッチングをこそ問題にすべきかも知れない。
そういった意味で楽天の試みは興味深いし、他にもユーザー企業で技術に投資するところが諸々出てくると良いのだが。金融とか製造業でもHPCが急速に入っているけれども、シミュレーション等のソフトはパッケージが多いようだ。Webほどネットワーク効果が働き難い分パッケージ市場が安定的にあるのかな。あと、金融とか製造業はWeb系ベンチャーと比べて手の内を晒したがらない、という事情もありそう。