雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

ネカフェに相談員派遣してどうすんの

内閣府のサイトをみた限りブツが上がっていないんで記事をみての印象論になるが、読めば読むほど寝惚けた政策である。最初は御用学者をひっぱたけって書こうとしたんだが、名簿を確認すると学者はひとりで女性の割合が異様に高い。
運動家と企業のお偉方ばかりじゃ自分の頭で考えて政策立案したんじゃなく事務方から紙を貰って会議の度に放談してたんじゃね、と疑って議事録を読むと、委員の出席率は悪く、議論は散漫で、役人ばかり参加しているようだ。

国民生活審議会(福田首相の諮問機関)の「働く」作業部会は3日、ニートやフリーターのほか、障害者や母子家庭の母親などの「就職困難者」の就業を支援するため、雇用環境の改善策を盛り込んだ答申案をまとめた。

だいたいネカフェ難民は親に寄生するNEETじゃなくて頼る先がないまま身を粉にして働くフリーターだし、彼らがネカフェに寝泊まりしているとして寝に来たネカフェで相談に乗りますといわれたって余計なお世話だし、山ほどあるネカフェでどこに相談員を置くのか、これは往年の山谷みたいに就職困難者が溢れるネカフェが決まった地域にあるのかも知れないけど、では相談に乗って貰うといい就職先が見つかるかも疑わしい。
なんかメディアに踊らされてウケ狙いで見当違いなことやってねーか、否、メディアが勝手に踊っているだけかも知れないが。早速2ちゃんでもスレが立ってるし、議論の流れに違和感を感じているNEET・フリーターは多いようだ。
アテもなく相談員をネカフェに派遣して、何か好転するのだろうか。検討状況を読む限り、状況分析できてないしアイデアもないけど、とりあえずNPO補助金つけて、人も増やして状況を把握するから予算をおくれ、としか書かれていないようだ。功成り名を遂げた委員諸氏に是非お伺いしたいが、あなたの会社が人を採るとして住所不定を選ばないだろ。
まず真面目に働く若者がネカフェに沈没せず、とりあえず住所を持ち、先々のことを考え自分を磨く時間をつくれる仕掛けを考えるべきではないか。労働政策のところで住宅政策は議論できないのかも知れず、住所を持てと諭すためにも相談員が必要なのかも知れないが、それ以前に国境なき医師団からは難民キャンプ以下といわれているホームレス向け医療の充実とか、セーフティーネットの綻び全般でやるべきことが山積していて、ネカフェへの相談員派遣なんて迂遠かつ成果のみえない政策を打っている場合じゃないんじゃね。
いまどき赤木智弘とか雨宮処凛とか弁の立つ論客はいるのだから、平場で実質的な議論をできるように、主要な政策対象たるロスジェネ・フリーター代表の有識者も登用すべきではないか。事務方は労働代表を入れたと考えたかも知れないが、正社員 vs. ロスジェネ・NEET・フリーターという構図で、どんなに使えなくても一生面倒みてもらえるNHK*1の労組なんて既得権層の最たるものだ。検討状況でも「生活者の意見を幅広く吸い上げるための取組、審議会等への生活者委員の積極的登用」と書かれているので、今後の人選に期待したい。

ブツがまだ手に入っていないので、とりあえずこういう記事があるというだけにとどめておきますが、この記事を見る限り、「ニート支援」を見出しに持ってくるのは、ミスリーディングとまではいわないまでも、かなりの程度バランスを失しているように見受けられますが。

*1:もう十数年前の話になるが、オッチョコチョイに仕事を振って放送事故を起こされても困るので、干されると定年まで遊んで暮らせると職員から聞いたことがある。さすがに最近は改善されたのかな。