雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

GLOCOM IECP研究会 東浩紀 情報自由論を聞く

論点はいろいろだが,プロファイリングされない自由,についての議論は面白かった.ITを活用するときに匿名性を実現する費用を誰が負担するのか,それが問題である.技術的に匿名性を保障することは,ブラインド署名でも何でも,かなり高コストである.運用によるプライバシー保護はより低コストだが,ひとを信じる仕組みは,結構な確率でひとに裏切られるのである.個人情報の活用や,属性に基づくゾーニングには,経済的・リスク管理インセンティブが働くが,東さんのいうところのリベラリスト的自由を支えるインセンティブ・モメンタムは,いまの資本主義,消費社会にはない.しかし,そういった問題にいち早く警鐘を鳴らし,突き詰めた議論をすることは重要なことだし,そういうところにも知識人の存在意義というものはあるのだろう.