雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

特許制度(をはじめとする世間の矛盾)とどう向かい合うべきか

一太郎」訴訟にみるソフトウェア特許のぶざまな現状
http://blog.japan.cnet.com/kenn/archives/001985.html
実際の社会的影響と比べて判決の字面が物騒なせいもあって燃え上がった一太郎問題.ちゃんと判決文とか読んでないし,法律にも特許にもあまり詳しくないので,判決そのものに対するコメントは避けるが,特許の問題は難しい.

  • 特許に於いてソフトとハードをどう区別するのか,また区別すべきなのか
  • 現行の特許制度が,最近のサービスやソフトのライフサイクルと整合的であるか
  • 現行の特許制度が,技術革新に対してどう寄与または阻害しているか
  • 現行の特許制度が,実際にはどう執行・運用されているのか
  • 現行の特許制度が,誰にとって有利で,誰にとって不利なのか
  • 企業として,現にある特許制度や特許そのものと,どう向かい合っていくべきか
  • 諸外国に於ける特許制度の動向を踏まえ,どう整合性や国際競争力を担保すべきか
  • 民主主義の過程のなかで,特許制度の何をどう具体的に改善していくべきか

といった論点を,まずきっちり整理してはどうだろうか.
これらはそれぞれで本が何冊も書けるほど奥深いし,基本的に別々に議論されるべきである.気に食わないから自分は特許に頼らない,相手にしないというのは,個人の生き様としては筋が通っているけれども,株主に対して責任を持つべき企業の経営者・マネージャの姿勢としてはあまりに無責任ではないか.その制度が良くても悪くても,あることに変わりないのであれば,折り合いのつけ方を考えることも株主に対する責任である.
個人的には,特許を申請したにもかかわらず大企業にアイデアを盗まれて蹴落とされたベンチャーに身をおいて理不尽を感じたこともあれば,競合他社に対するブラフで自分の特許を申請したこともある.いまの特許制度がソフトウェアやサービスに関するアイデアを保護する上でも,これらの領域での技術革新を促す上でも,様々な制度疲労を起こしていること,運用にも納得できない点が多々あることは肌身に沁みて知っているけれども,それはそれで受け入れるべき現実として,単に肯定とか否定とかするのではなしに,そこで自分が何をしうるか,また,何をすべきかを考えるしかないと割り切っている.そこで出てくる解はいろいろあるだろうけど,少なくとも松下に対する不買運動を煽ることは,戦う相手を間違えている気がする...と書いてたら栗原さんのエントリーを発見
松下の不買運動をする前に
http://www.kurikiyo.com/mt/archives/cat5/index.html#000067