雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

みずほ証券は東証を訴えるだろうか

昨日のblogで東証のシステムに問題があったのではないかと指摘したが、今晩になって各社から同様の報道があった。まぁ誰もが同じ疑問を持ったんだろうな。次の焦点は、みずほ証券東証に対してどう出るかだ。ぼくは、訴えないのではないかと踏んでいる。とゆーか、早めに和解するなり、訴えない旨みずほ証券が早めに宣言するように、関係各所で和解へ向けた根回しが進んでいなきゃ困る。
双方に過失があるとはいえ、数百億円の損失に対して数割の損害賠償が認められる懸念があることは、非常に大きなリスクである。このリスクを放置したままでは東証の上場そのものが覚束なくなるし、結果としてシステム増強のための資金調達もできなくなってしまう。東証が貧弱なシステムであり続けることによって困るのはみずほ証券をはじめとした金融界全体である。
みずほ証券は数年分の経常利益と引き換えに、日本の証券市場そのものの地盤沈下の引き金を引くだろうか。懸念は株主代表訴訟だが、幸いみずほ証券そのものは上場企業ではない。みずほHDの役員が株主代表訴訟で訴えられる可能性は払拭できないけれども、みずほHDの役員としてみずほ証券に対して東証を訴えるよう主要株主として迫ることは、日本経済を混乱させ、行政や業界から睨まれることによる損失の方が大きいと判断したといえば、何とか乗り切れるのではないか。
ここでみずほ証券東証を訴えるようなことがあると、それはそれで見世物としては面白いけれども、それって財界の調整能力が失われたということだよなー、とか憂いてみたり。いま確認したら、あの朝日新聞でさえWebに出した記事の見出しに後から直しを入れるくらいナーバスになっている。

前: みずほの誤発注、東証システムの不具合が主原因
今: 東証システムに不具合、みずほの誤発注を取り消せず
http://www.asahi.com/business/update/1211/004.html

個人的には東証のシステムがここで地盤沈下して、米国のようにECNをはじめとした市場外取引が活発化すると面白い気もするのだが、まぁ市場外取引もLivedoor騒動で問題になったし、自業自得とはいえ現時点で東証が粛々とシステム投資を続ける環境をつくっておかないと、日本国内の優良企業が欧米市場での重複上場を加速したりとか、東京市場全体を地盤沈下させてしまうリスクを孕む気がしないでもない。