雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

活字の定義と漂浪する職人について

いや,活版印刷からDTP版下製作+オフセット印刷に変わった時点で活字離れではないかとボケをかまそうとしたんだが,活字が鉛の棒ではなく印刷した文字を指すとすれば,激しく外している.
ところで中学・高校時代,ぼくは新聞部にいて夕方よく印刷屋に入り浸って社長と世間話をしていた.社長に印刷技術の諸々や世の中のことを教えてもらいつつ,ぼくは月刊Super ASCIIで勉強したDTPの最新技術,XeroxのDocuTechがどうしたとか,RGBとCMYKがどうしたとか,Page Makerが云々,Post Scriptが云々といったレクチャーをした.
駒沢にあるその印刷所は都内に1つしか残っていない鉛の新聞活字(扁平しているやつ)を置いているところで,実際に鉛の活字を拾って段組みしているところをみせてもらったりした.実は植字工(死語ですな)は成果主義で,拾った活字×ン十円という給与体系だったので,拾うのが早い職人さんは月収50万円以上とか,当時としてはかなりの高給取りだったそうである.
そして特定の印刷所には縛られず,待遇に不満があると仲間で別の印刷屋に行ってしまう.ただそれも僕が聞いたときにはもう昔話で,版下製作は段々と写真植字やDTPに置き換わり,DTPオペレータの新規参入で単価は安くなるはスキルセットは生かせないはで,昔気質の植字工は身の振りように困っているという話だった.
ネットバブル前あたりからルータの設定ができたりCGIが書けるというだけで踏ん反り返っている職人気質の技術者をみて,直感的にこれは何だか植字工に似ているなと感じた.

「活字」とは本来、印刷した文字や文章を事を指す言葉なのだ。だからこの定義に基づけば、時事通信の記事は全くもって正しい事を言っていることになる。