雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

トフラー『第三の波 (中公文庫 M 178-3)』がいつの間に廃刊

楽天野球団の小澤氏から聞いてびっくり。
さっそく彼のつくった「復刊.com」で1票を入れておいた。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=11313
『第三の波』は中学時代、表紙も取れてボロボロになった文庫版を、新聞部の部室で読んだ。けれども未来予測モノって陳腐化が早いというか、時間が経つと売れないのは致し方ない。SFも同様で『2001年宇宙の旅』とかオーウェルの『1984年』とかも、執筆当時はすごく未来のことを書いた訳だけど、いまや背表紙だけみるとタイトルじゃ歴史モノと区別がつかない。
けれども予測モノって後から読み返すと、同時代ものと比べて当たり外れがはっきりしている分、本としての良し悪しもはっきり出る。アルビン・トフラーもさることながら、先日なくなったピーター・ドラッカーとかも、後から読んでも洞察の鋭さに感心させられる。古い本を読んで予測の大外れに苦笑いすることは、これから先々ヨタ話に騙されない訓練になるのではないだろうか。
最近、苦笑したものとしては、数年前に復刊したハイエクの『貨幣発行自由化論』の冒頭数十ページが、ECの通貨統合がいかにナンセンスで不可能であるかを論じていたというのがある。ノーベル賞学者でさえ、読みが大きく外れることって結構あるのを知っておくことは損ではない。