雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

政府とグローバル企業との微妙な関係

仮にGoogle上で世界政府をつくれてしまうとしても,それを何故Googleが担うのかという正統性の問題を解決しなければならないんだよね.「地球規模の視野を持つ気概がなければ、時代の先端には立てない感じ」という印象には同意.『Web進化論』的には,Googleが世界政府そのものを開発しなくても,Web 2.0的なかたちでGoogleマイクロソフトが様々な政府のサービスをアグリゲートして,世界政府があるかのような世界を築くことのできる可能性があるし,そこにはもはや正統性という問題もない.
けれども実質的に代理されることによって様々な裁量権が代理者側に生まれ得ることや,最近の中国との関係のように特定地域の法や政府の意向とどう向かい合うかとか,グローバル企業の提供するサービスの正統性とか裁量権の範囲とか民主主義との関係というのは非常に難しい議論となり得る.
実装者の実質的裁量権によって,民主主義の手続きで決められたルールがオーバーライドされ得るという問題に対して,今後,政府から色々なカタチで圧力がかかるだろうし,プロバイダ責任制限法とかインターネット・ガバナンス論争とかWinny裁判というのは,その萌芽なんだろうな.

三酔人電脳問答。日本のIT業界の未来について、役所の役割に過剰な期待を抱くのは、もはや賞味期限の切れた発想ではないか?という話。そもそも、日本という枠組で考える発想が時代から半歩遅れた発想だったりして。なんせ、『ウェブ進化論』によれば、Googleの目指すものは「仮に世界政府があったとして、そこで必要なシステムは全てGoogleで開発してしまおう」だそうだし。地球規模の視野を持つ気概がなければ、時代の先端には立てない感じなのかな。