雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

残業代ゼロに怯えるマスコミ記者たち

【訂正】id:t2-news氏やid:R30氏のはてブコメントにあるように「自分の残業代が惜しいからでは」という指摘は下衆の勘繰りであったようだ.何故ならマスコミも裁量労働制・見做し残業代の対象業種だから.いわれてみれば管理職になって給料が減ったという愚痴は聞いても,残業代が全部出てるとは聞いたことない.ちょっと考えると,夜討ち朝駆けできっちり勤務時間をつけると大変なことになりそうだ.という別エントリを立てたのだが,はてブ経由のトラヒックが続いていて,ちゃんと訂正が読まれていないようなので,冒頭で強調しておく.
ふと気づいたのだが,年収要件を満たしている上にたんまり残業代を貰っているのがマスコミの記者連中だから,ホワイトカラーイグザンプションの問題がこじれているのではないか.中高年リストラばかり同情気味に報道され,より深刻な若年失業が話題にされなかった数年前も,自身の終身雇用を信じて疑わない記者たちの偏見を感じたのだが,これは同じ構図かも知れない.
IT系はじめ専門職はサービス残業とか裁量労働制で従前から残業代は定額だし,メディアで叩かれがちな役人も労働基準法で守られていないので,死ぬほど働いて残業代なんか貰ってない.搾取されているフリーター層は,一生ホワイトカラーイグザンプションなんか縁のない年収水準にいる.ダラダラ仕事して,たんまり残業代を貰えてる仕事って,大手マスコミ以外にどれほどあるのだろうか.
かれこれ10年近くIT業界で仕事をしてきたが,いちども残業代を貰った経験がない.もちろん残業は年中だが,駆け出しのころは業務委託契約だったし,大学2年の終わりで前の会社に入ってからも年棒裁量労働制であったし,偽装請負っぽい働き方をしていた時期もあるし,今いる外資ソフト会社も基本的に年棒制だ.
会社にいなくたって自宅でメール処理をしているし,システムの世話をしていた頃はポケベルひとつで呼び出される立場だったから,そもそも労働時間なんて概念に意味を見いだせないし,残業代なんか貰わなくて構わないと思っている.
だからホワイトカラーイグザンプションなるもので何がどう変わるのか分らない.そこそこ恵まれている層がダラダラ働くことに残業代を支払わずに済むようにして雇用の裾野が広がれば,むしろ社会的には良いことという気もするし.そもそも一定以上の高給な仕事というのは,それだけ付加価値があるということで,経営者と対等に交渉して待遇を勝ち取ればよろしい.条件が合わなければ転職すればよろしい.その方が後進に道が開けるではないか.
利権に守られた大企業に巣食い,終身雇用で高給で妙に法的に既得権を守られている階層の声が異様に大きいせいで,結果として民主主義が歪められているのではないだろうか.日本経団連が当初主張していた年収400万円という基準はどうかと思うし,推進している連中の度重なる失言にも苦笑させられるのではあるが.

まあなんだ、「安倍政権」と「著名経営者」と「労働者イジメ的発言」の三点セットで釣られてる私たちって何なんだよ、ってことだな。情報リテラシーとか言ってるレベルじゃねーぞ、と。しっかり釣られて小一時間もネット徘徊しちまったぜ。