雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

情報大航海は大山鳴動して鼠一匹

ベールに包まれていた情報大航海プロジェクトについて,徐々に情報が出始めている.当初のGoogle対抗とかいう勇ましい掛け声はどこへやら,苦労の跡の窺える内容だ.
にしてもドコモも日航も本当に必要なサービス開発なら10億くらいポンと投資できるのに.なぜ財政資金を投ずる必要があるのだろう.投資できるのに投資しないというのはリスクを負いたくないだけではないか.民間が負うことのできないリスクを政府が肩代わりして技術革新を加速するというのは国プロの王道だが,民間が負えるのに負わないリスクを政府に肩代わりさせるというのは似て非なる構図である.
日航はさておきドコモのやろうとしている位置情報を活用したリコメンデーション技術は,加入者の個人情報保護やコンテンツプロバイダに対する公平性確保などの観点で慎重に扱うべき点がいくつもある.役所にやるべきことがあるとすれば,いまどきWeb 2.0バブルで新興企業でさえ投資できる数億円の補助金を売上数兆円の巨大企業につけることではなく,登場の予想される新たなサービスに対する消費者保護と公正な競争条件の確保へ向けて必要な論点整理と法制度整備ではないか.そういった議論をすっ飛ばして実証実験で既成事実を積み上げていく手法には,焦りと危うさを感じる.

経済産業省は4月13日、「情報大航海プロジェクト」の委託先として、NTTドコモ日本航空インターナショナルの2社を採択したことを公表した。同プロジェクトは、大量のデジタル情報を検索/解析する技術と、それを利用したサービスを開発するもの。プロジェクト全体における今年度の予算46億円のうち、両社への委託で約10億円を投入する。
NTTドコモは、携帯電話を利用した技術/サービスを提案。携帯電話を介して人の行動情報を蓄積し、高度な解析技術を使って、個人にマッチする情報/コンテンツを探し出して提供するものだ。日本航空インターナショナルは、社内に大量に蓄積した安全に関するレポートや気象データなど各種情報からトラブルの発生原因を分析するシステムを提案した。