定年の由来と撤廃の前提
定年退職って終身雇用・年功序列とセットなんですよ。明治末から大正初期にかけて熟練工の足止め策として長期雇用を約束したとき、上が閊えるとキャリアモデルをつくれないので定年を設定した訳です。で、戦前の正社員ってのは不思議なことに定年後の給料の方が高かったり。ただし占領期の電産闘争で正社員の裾野が広がって、高額の退職金・企業年金はなくなったのですが。そして高度成長期の人手不足で正社員の割合が高まり、終身雇用・年功序列が一般化して現在に至る、と。
もはや高齢社会・成熟経済なのだから新卒一括採用、長期雇用、年功序列は改めるって話であれば、定年を取っ払うことは非常に合理的ですよね。欧米も年齢差別って理由で定年を規制していますし。けれども新卒一括採用、整理解雇4要件などに手をつけず年金支給年齢延長の都合で定年だけ撤廃という話なら、とんだ団塊世代のお手盛り政策であって、ロスジェネど真ん中の私としては到底のめないところであります。
子供の頃に不思議に思ったのは定年の存在。
親戚とか周囲に会社員が少なかったからかもかもしれん。
どうしてまだ働けるのに、或いは働けないのに、働きたくないのに、定年という年齢で区切るのか。
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