雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

価値中立的なゾーニングの可能性

ここ数日,与野党の有害コンテンツ規制案について様々な論評が出ているが,崎山氏が非常に網羅的に分析している。保護者の選択肢を担保するには基準の透明性と中立性が重要だが,具体的にどこまで何をするかは非常に難しい。今のデータベースは基本的に公開されていないし,URLブラックリストだけでなく単語の出現頻度や画像に対する機械学習などが入ると,更に外形的な判断が難しい。第三者機関によるベンチマーキングとか,運用基準の公表とかアイデアはいろいろ考えられるが,なかなか単純な原則に整理できない。基本的にはリアルな世界に寄せて常識的な判断に落とすべきだと思うが。

私自身は、フィルタリングソフトやフィルタリングサービスの透明性の無さから、具体的な個別サービスに支持できるものはないが、(青少年と保護者をセットにした)「利用者の選択」をサポートするという方向で軌道修正されていくのであれば、そういう政策自体はおおいに支持に値すると考える。しかし、自民党案にせよ(若干趣きは違うが)民主党案にせよ、そこにあるのは多様な価値の尊重ではなく、特定の立場からみた価値の押し付けであって、保護者に選択することすら許さないものに見える。それは、検閲以外のなにものでもない。