雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

フィルタリング

ネット規制論議はこれからが本番

先日の参議院内閣委員会での議論はid:inflorescenciaさんが的確にまとめて下さった。法文だけでなく、国会答弁でここまで緻密に議論できたことは本当に良かった。国会が閉じれば役所は人事異動シーズンで、この問題も束の間の平穏を期待していたのだが、アキ…

青少年ネット規制法 参議院内閣委員会通過

昨日の朝、突然メールをいただいて本日午後の参議院内閣委員会に参考人招致され、採決、付帯決議まで見届けてまいりました。あー緊張した。明日の本会議で成立の予定。特に野党から最後の最後まで詰めの議論があり、法文の曖昧な点については国会答弁でかな…

不作為犯に対する法的義務の形式的根拠

青少年ネット規制法で青少年閲覧防止措置が努力義務になったことについて、奥村先生が法技術的には意味があると言及されている。私のような法律の門外漢は字面通りにしか理解できないので、この辺の指摘はとても勉強になった。 「サーバ管理者による青少年閲…

ブログに「死ね」の書き込みで自殺 周囲や事業者に何ができたか

いたましい事件だ。ネット規制の議論にも影を落とすかも知れず、また、事件の再発防止や、CGMレイティング基準の見直しで議論しなければならない話として、議論を避ける訳にはいかない。とはいえ報道内容から類推できることは限られ、過度に一般化して議論す…

フィルタリングより肝なネット時代の自助教育

審議日程を踏まえると交渉は今週前半が山場で、様々なところが再び声を上げている。できれば民主党案に沿った決着を、それが難しければ時間切れになることを期待している。これはわたしやネット業界に限らず、この件に関わっている関係者の多くも似たような…

最新の状況と明日のICPC

今日までを予定していた実務者による与野党調整は、週明けに持ち越された模様。最新の自民党案に対して、様々なところから再び反対声明が出ることになりそうだ。自民党内閣部会よりも時間をかけて議論して国民に逐次説明してきた民主党も、与党の公明党も、…

ネット規制法案は与野党協議へ

ネット規制法案の今国会成立へ向けた調整が佳境を迎えている。といっても衆院青少年特で合意の後に党内調整するという流れのようだ。調整に当たって論点は指定フィルタリング推進機関の扱いとなる。調整はそう簡単ではないだろうが、気になる点を箇条書きで…

高市早苗議員による内閣委員会での質問

昨日の内閣委員会で高市早苗先生が質問している。総務省として高市私案を潰すロビイングを行っていたのではないか、という質問に対して寺崎局長が「部会などに呼ばれれば政治家と接触することはあるが、官僚から政治家に対し働きかけを行うことはない」とい…

新聞協会がメディア規制に反対の意見書

与野党協議の最中、新聞協会がメディア規制に反対の意見書を公表、関係議員に渡したという。肝心なタイミングで非常に心強い動きだ。ネットに止まらず幅広くメディア全般に対する規制に繋がりかねないことをご理解いただけたようだ。 日本新聞協会メディア開…

時間ができればやりたいこと

今日は日経デジタルコアのシンポジウムでネット規制について話した。EMAの岸原さんも、自民党案は高市案と変わらずフィルタリングに対する国家統制で問題が多いという認識だった。ぼこぼこ政府組織を増やして規制をつくる割に目的も成果もはっきりしない。

最新の自民党案が詰まっていない件

ネット規制法は国会日程から逆算すると、遅くとも来週早々に党内調整、与野党協議ともに終えないと時間切れとなる。最新に近い自民党案を入手したが、4月中旬の内閣部会案を概ね踏襲しており、民主党案と比べて詰まっておらず、彼らはこの1ヶ月近く何をやっ…

お互い様だよ/ネット政党への期待

まあ、ネットでありがちな反応だが。では彼は法律とか政治を知っているのだろうか。天に唾してるよな。そのまま「政治や法律に無知な人間がネットを規制する法律を批判するんじゃない」とか返されるよ。 もう一度言う。技術を知らない人間がコンピュータやネ…

ネット規制法に於ける議論の前提と、民主党案の講評

わたしも個人的にネット規制法が必要かどうかについては意見がある。けれども経緯としては政府として民間事業者や技術に任せ、フィルタリング利用の普及啓発に力を入れたにも関わらず問題がなくならなかったのだから、次は立法措置が必要という流れで、それ…

松浦先生、崎山さんGJ!

竹を割ったような明快な答弁をされた鳩山法相だけでなく、踏み込んだ答弁を引き出した松浦大悟先生、そして国会の議事録をきっちりチェックしてブログに書いてくれる崎山伸夫さんGJ!。こういったやりとりがネットで読める時代って、本当に素晴らしいですね。

神は細部に宿る

自民党案の内容について、昨日の日経、今朝のNHK、午後の読売と、徐々に情報がリークされている。第三者機関の登録制など、内閣部会案の色彩が濃いリーク内容の割に、総務部会ばかり引き合いに出されている点が気になるところだ。 ネット接続業者などが、青…

傀儡の第三者機関じゃ戦前の言論報国会の二の舞

気づいたら前エントリで引用した読売の記事は削除されていた。自民党案にみるフィルタリングへの奇妙なコダワリや、第三者機関の政府による審査・登録制について悶々と違和感を感じていたのだが、やっと違和感の理由が判った。結局のところこのスキームは、…

法制化後に業界の姿勢が問われる

民主党の法案骨子が一昨日のPTで固まり、NC内閣府の了承を得て、今日公開された。自民党も昨日、谷垣政調会長が高市委員長と会って一本化の方向を伝えたという。国会会期末に近づき、有害コンテンツ対策の法案提出へ向けた調整も、最終局面を迎えつつある。

広島県の新条例

有害図書規制と同じで、地域ごとに条例ができるんだろうね。携帯電話での閲覧制限機能提供は既に行われているので実害なし。個人的にはネットカフェの場合に保護者が保護レベルをカスタマイズできない点が気にかかる。

ちょっと古いがMySpaceのInternet Safety Principles

数年前からMySpace規制法などが議論されたこともあって、安全対策には真剣に取り組んでいるようだ。

明日の「ガイアの夜明け」はネット規制

なかなかタイムリーな企画。これは録画しなきゃ。 政府自民党は、政治の不作為は許されないと、青少年向けのネット規制法案を検討しているが、ネット業界などの猛烈な反対にあい、法案化の目処は立っていない。携帯電話の有害サイトの危険から、子供を守るた…

明日MiAUで話すこと

日曜深夜に突然id:mhattaからSkypeで呼び出され、明日MiAUのシンポジウムで最近の官民の動きを解説することになった。仕事で来れないひともいるようだし、認識違いがあれば本番までに直しておきたいし、頭の整理も兼ねて何を話そうとしているか書いてしまう…

19歳少女 行方不明の影響は?

あー事件が起きちゃった。ちょうど今日このタイミングで出会い系サイト絡みの事件が起きると、また世論が規制強化で流れるよねー、警察なら事案いくつも抱えているだろうし、マスコミはリークに踊らされて動くだろうし、とか話していた矢先がこれだ。彼女に…

やっぱり有害コンテンツを規制するのはまずい

奥村弁護士が法案の問題点について指摘している。内閣部会案では合法有害の境界がはっきりしないし、ISPにかぶせる責任が過大だよね。意図的に萎縮効果を狙っているのだろうか。それだけならまだいいが、ISPを縛るってことはその気になれば北欧のように、い…

流れに歯止めをかける為にネットユーザーができること

昨日のエントリがガス抜きとなっている懸念もあるので誤解を質しておくと、有害コンテンツ規制の法制化は今なお非常に危機的な状況にある。連休明けにも民主党が法案を出せば、対抗で自民党案が党内調整を待たず提出されることになっている。民主党は1月末の…

俺達ちゃんと政治もハックしているよ

泊まっているホテルのアイリッシュバーにMacを持ち込んで、サッカーの実況を聞きながら酔っぱらっているので適当に書く。そんな簡単じゃないよ、届いちゃいるんだ声は。数年前からずっと燻っていた有害コンテンツ規制を、丁寧に闘って、心ある仲間で闘って何…

高市法案の問題点

仕事でOsloにきた。ここ数日フォローしていなかったら,すっかりblogはネット規制の問題で盛り上がっている。高市私案は以前から気になっていたが,これほど問題の多い法案が十分な議論を経ずに今国会で提出されることがあれば,内閣提出法案とのバランスを…

価値中立的なゾーニングの可能性

ここ数日,与野党の有害コンテンツ規制案について様々な論評が出ているが,崎山氏が非常に網羅的に分析している。保護者の選択肢を担保するには基準の透明性と中立性が重要だが,具体的にどこまで何をするかは非常に難しい。今のデータベースは基本的に公開…

やっぱ削除じゃないだろ,と考えさせられる1冊

僕の世代って高校時代に騒がれたのはブルセラ・ポケベルで,ケータイは大学に入ってからだ。だから若者のケータイ風俗はよく知らない。ボケベルの時もそうだったが,目立つ子の逸脱行動がセンセーショナルに煽られすぎている感もある。そういう意味で本書は…

崎山さんからの指摘を踏まえた論点整理

うーん、やってしまった。たぶん与野党の原案を参照せず白紙で考えたこともあって、あちこち誤爆してしまったようだ。お陰で配慮すべき境界もだいぶ見えてきたので、ご指摘を念頭に弊害の小さな案を改めて組み立ててみたい。 全体として、「高めのボール」と…

ネットで子どもの安全を守る包括的な政策パッケージ私案 2版

崎山さんはじめ様々なフィードバックをいただき、表現の自由を尊重し、価値中立的な外形基準を課す方向で提案を見直した。表現の自由を尊重し、セルフラベルを原則として、有害コンテンツの先験的かつ定性的な定義を避けて、防犯対策について事業者の自主性…