雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

19歳少女 行方不明の影響は?

あー事件が起きちゃった。ちょうど今日このタイミングで出会い系サイト絡みの事件が起きると、また世論が規制強化で流れるよねー、警察なら事案いくつも抱えているだろうし、マスコミはリークに踊らされて動くだろうし、とか話していた矢先がこれだ。彼女には無事でいて欲しいが、もしものことがあると世論は規制強化に流れるかもね。まぁ被害者が19歳であることを考えると、本来は有害コンテンツ規制とは関係ないんだが。ちょうどテレビで出会い系サイトで出会って十数時間後に云々、とかやってて欝になった。
こういうの、どうすればいいんだろうねー。出会い系サイトで知り合った人についていくのが悪いんだよ、といいたいところだが、出会い系ってみんな知らない人と逢えちゃうから出会い系なんだし、大概のひとはそれで被害に遭わないんだし、やっぱ悪いことする犯人を捕まえるしかないよねー、とか思う訳だ。年に1万人くらいは交通事故で死んでいて、3万人くらいは自殺していて、それと比べればワイドショーを賑わす出会い系絡みの誘拐殺人なんて警察庁の資料によれば年に片手で数えられるくらいの件数で、報道される分マインドシェアは高いけれども、知らない人にホイホイついていって、自業自得だし制度で保護するほどの話じゃないし、保護しようとしてできるものでもないと思うんだよね。
いや実際のところ二つの大きな疑問があって、こういうのって出会い系サイトが問題なんだろうかということと、じゃあ有害コンテンツとして規制してどうなるのかということだ。戦前から郵便局員が会員制出会い雑誌をつくって捕まったことがあったし、ナンパスポットとか、雑誌の文通欄とか、伝言ダイヤルとか時代時代に応じた出会いメディアって根強くあって、たぶん大概のひとは人肌恋しい小市民だけれど、或る割合で今回の事件で捕まったようなポン中のヤバい奴とかもいる訳だ。これはリスクであって、リテラシーがあって避けられるものでもない。
まあリアルで逢わなきゃいいんだけどさ、出逢う為にサイトにアクセスしている訳で、出会いたいほど寂しいことが問題であってさ。そんなに寂しければ、出会い系サイトを潰したところで街で出会うかも知れず、Google Baseとか使いこなすようになるかも知れず。人間だって動物なんだから、18歳を過ぎたって出会いたい時ってあるんだろうし、知らない相手と出会えば相手に失敗することだってあるよ。否、ケータイが便利すぎて出会い自体が増えてるんだよ、それが大問題なんだ!っていう意見もあるだろうけど、出会いが増えて重要犯罪が減っているなら、まあそれはそれで悪くない傾向じゃないかな、と。
大人については出会いたい人が出会い系サイトを使ってリアルに逢うのもオヤジどもの自殺と同じくらい愚行権として認められるべきだろうし、不謹慎なことをいえば飛び込み自殺と比べれば社会には大きな迷惑をかけていないんだし、子供に充分な判断力がない件については場を規制するというのは筋が悪い。というのも、あからさまな出会い系サイトを潰したところで、死んだブログのコメント欄とか、WikiだろうがBlogだろうがGoogle Baseだろうが、隠語を駆使して出会っちゃうんだろうからさ。
ツールを縛るよりは悪意ある大人を摘発し、未成年と交際するリスクを高めることが効果的だ。そういう意味で崎山氏が提案しているオーストラリア風の交際年齢制限は、なかなかいいアイデアという気がする。というか刑法と日本国憲法と最近の児童保護法規との年齢制限に関する整合性については、いずれ整理する必要があるのだから、有害コンテンツ規制とは関係なく検討する価値があるだろう。
この辺は中高時代に同級生から2つ年上の女性としか付き合っていなかった僕だからそう思うのであって、その年頃から不倫とかやっていたひとは別の考えもあるかも知れないから聞いてみたいところだ。何人か中高時代に歳の差交際をしていた女友達とかいるんだけれども、少し歳の離れた先輩後輩の同志愛みたいのを別にすると塾講師とだとか囲碁の師匠とだとか、おいそりゃまずいだろう的な話が多くて、それこそ出会い系サイトと関係なく規制すべきだと思うんだけどね。
みんな出会い系サイトで殺人事件とか援助交際が云々というとツールの良否を巡る議論に淫しがちだけれども、人間は出会いを求めているし、社会の中で一定割合の犯罪者なり逸脱者がいる以上、出会えばある確率でトラブルは起こるんだよね。そういう意味で事故防止の為に出会い系サイトを規制する、というのは本末転倒である気がする。安直に出会っちゃうこと自体が青少年健全育成の見地から問題なのだ、という話であればそれはそれで別の議論だが、その辺については社会的合意をつくるのが難しいだろうし。大都市が出会いや犯罪の温床だからといって封鎖しないのと同様に、サイトそのものも封鎖はせずゾーニングしつつ行為規制で犯罪者摘発に力を入れることが、最も現実的かつ効果的な対策なのだろう。
と理屈は組み立てるんだが、僕は誰の為にこんなことを一生懸命やっているんだろう、と考えると溜息が出ることもある。これまでケータイなんてmixiくらいしか使っていなかったし、それもマイミクの日記を読んだり自分の日記を更新するだけだったのが、少しケータイから検索とかかけて学校裏サイトだの出会い系サイトをみていると、すごい勢いで出会いまくっているっぽい掲示板とかある訳で、あー、こんなサイトで30分とか1時間単位で知らない人と会えちゃうんだなー、しかもこれ単純な掲示板だし、技術もへったくりもないつくりだし、放置っぷりも故意だよなー、中学生も30過ぎの人妻も書いてること何らレベル変わらないよなー、とかゲンナリしてしまう訳ですよ。暇を持て余していれば魔が差すこともあるかも知れないけれど、とても付き合いきれない世界だよなー、と。あーいうののために、日本中のあらゆるマトモなコミュニティサイトがトバッチリを受けていると思うと正直ムカつく。が、自由を擁護するって、そういう徒労の積み重ねなんじゃなかろうかと自分を納得させている。

例えば、13歳以上16歳未満は2歳以内、16歳以上18歳未満は5歳以内年上であえば合意とみなすが、それ以上の年上であれば法定強姦とみなす、という形がありうる。個人的には16歳以上の規制は必ずしもいらないのではないかと思うが、どの程度の線引きが望ましいかはいずれによ専門的な議論が行われないとなんともいえないと思う。カナダでは、2月に性的同意年齢が14歳から16歳に引き上げられたが、14歳以上16歳未満については年齢差規制という形になった(以前は12歳以上14歳未満が年齢差規制の範囲だったが、そこがどうなったかは確認していない)。