雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

玉音放送から68年目の暑い夏に寄せて

8月15日ゆるゆると六本木通りを歩いていたら溜池交差点で街宣車の縦列をみかけ、そうか今日は玉音放送の日かと往時に想いを馳せた。日本ではこの日を終戦記念日というが、国際的には東京湾に停泊した戦艦ミズーリ号の甲板で降伏文書を調印した9月2日こそ正式な終戦とする主張もある。では日本国民にとって8月15日にどういう意味があったかと考え直すと、正午の玉音放送天皇陛下のご聖断が国民に知れ渡り、本土決戦を主張する陸軍の野望が最終的に潰えて、国民がやっと総動員体制から解放された、いわば戦後の始まった記念日だろうか。

続きを読む

スマート家電の落とし穴

うちに帰ったらリビングが静かだった。テレビをミュートしてるのかと思いきや、テレビが壊れて音が鳴らなくなったんだという。電源を入れ直しても治らないんで、試しにコンセントを抜き差ししたら再び音が鳴るようになった。55インチのテレビを修理に出すとなるとコトなので直って良かったんだけど、随分と不安定で昔のパソコンみたいだと呆れた。

続きを読む

現実を直視して実効性ある少子化対策を

内閣府少子化危機突破タスクフォースが「女性手帳」の発行を検討しているという。確かに出生率は将来の潜在成長率や年金・健康保険・財政の持続性にとって重要な因子だが、戦時中の「產めよ殖やせよ國のため」(1939年9月30日 厚生省「結婚十訓」)の反省も踏まえて慎重に進める必要がある。委員提出資料を拝読すると有識者からは様々な地に足の着いた提言があったようだが、十分に拾い上げられていないとすれば残念だ。今後の予定をみると今月中下旬にはとりまとめるようなので残された時間は少ない。

続きを読む

就活する君へ―就活解禁が延びても社会との関わり方は早くから意識しよう

安倍首相が就活解禁を大学3年の10月から3月に遅らせるよう要請し、経済3団体のトップがこれを受け入れたとの報道があった。この記事に安心した学部3年生はまだ早い。合意は2016年卒、学部2年生からの話だ。それ以前にこの合意は民主的な手続きを経て決まったものではなく、法的拘束力はない。これまでの倫理憲章と同様に、これら経済団体に加盟する企業でさえ合意を尊重するとは限らないので注意が必要だ。

続きを読む

じゃ、ノマドは野生なんだっけ?

もともと「社畜」なる造語は社員と家畜を掛けたのだから、含意として社畜と家畜が似てるのは当たり前な訳で。こんな言説を真に受けてノマド目指しちゃう若者はさすがにいないだろうけど、社畜批判ノマド礼賛ってバブル期のフリーター礼賛と似た危うさを感じてて、別の搾取構造やリスクを隠蔽してるんじゃね?って疑問も拭えないから野暮だなと気後れしつつ論じてみる。

会社に「飼われる」ことを全否定するわけではありませんが、これからの時代はかなりリスキーだと思います。「会社の外をいつでも飛び出していけるだけの力」を持っておくべきでしょう。

続きを読む

野良データを撃つ銀の弾丸はない

日本でもオープンデータの取り組みが大きく動き始めた。昨年7月にIT戦略本部が電子行政オープンデータ戦略を発表し、12月に電子行政オープンデータ実務者会議が立ち上がり、2月に入ってオープンデータIDEABOXで意見を募集し始めている。さっそく経済産業省OpenData METIを立ち上げてデータを公開し始めた。公開に当たっては利用者が扱いやすいフォーマットで提供できるに超したことはないが、準備に時間をかけるよりはExcelで構わないから提供可能な文書から公開し、フィードバックを受けて段階的に改善した方がいい。

続きを読む

転職と次の10年

いささか古い話になるが、やまもとさんとの対談の終わりに何でヤフーに入ったのか聞かれて虚を突かれ、割とシドロモドロに答えた。で、対談の本題からは外れていたし編集部は気を利かせて対談から削ってくれたけど、ようやく後任も着任したことだし、いろいろな人に繰り返し話す中で、何となく頭の整理もできたし少し書いてみたい。

ただ、私が本当に楠さんに問いたかったことは「なぜそうまでして現場にいたかったか」であります。マイクロソフトでのキャリアを捨てて、ある意味ヤフージャパンというドメスティックな大企業に戻って現場を志向する優秀な技術者の考え方ってのを知りたかった。それはたぶん後半に書かれているはずです。おそらく。

続きを読む