雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

少子化は野郎に問題,という話。。。総論賛成なんだけど

こういうミクロな話を大局論にすりかえるのは,非常に男性的な,ずるい議論の仕方ではないだろうか... いや,僕も総論としてはそう思うんだけど,みんなそんな偉そうなことを考えて子供つくったりはしないと思うし.確かガリバー旅行記にあったけど,生んだ親は子供に対して偉そうにしてるけど,やっちゃった.できちゃった!という程度の話であって

子どもを産むか産まないかは女性の生き方の問題である。その結果、少子化が起きるとすれば仕方がない。介入できる余地はあまりない。だが、少子化によって生活水準が低下し、社会保障制度が維持しにくくなるとすれば、女性にとっても好ましいことではない。「私の幸せ」を追求する基盤が崩れては元も子もないではないか。

何だ分かってるじゃん.オフショアリング批判叩きのネタですか?

技術革新で既存セクターの雇用が減るのは当然で,ITのように未だに労働集約的な産業でそれが顕著であることは,考えてみれば当然だ.雇用が失われたところで,新たな産業を生む余力も出てくる.農業や製造業種を例に取っている彼が,そのことを分からないはずがないのだけれども,これは的を外したオフショアリング批判に対する婉曲的な批判なのだろうか.
国民全員が交換手になっても足りないとか,シグマプロジェクトの元凶となったプログラマ○○万人不足説と比べれば,半歩くらい進歩しているのかも知れないが,ピン止めするところを間違えて,ズレた議論になってしまっていることに変わりはない.

Samsonは技術革新が及ぼす問題の方が深刻であると確信している。同氏は、その証拠として、機械の導入により、農業分野における雇用のほとんどが消滅したことや、非農業部門の雇用全体に占める製造業種の割合が17%以下に低下しことを挙げている。

よく整理されている各国の第2次世界大戦観と,いま日中韓で起こっていること

日中韓について似たような話を最近,とある日中関係の勉強会で聞いてトリビアだったんだけど,インドやイタリアの話は初耳.
問題は,こうやって捩れた日中韓の国際関係をどう収拾するかと,穏健な方向で国内世論をどう収めるかということだ.小泉首相以来,官邸主導で外交カードが政権基盤維持の道具として多用されるようになった.いまはマッタリしてるからいいけど,きっかけさえあれば世論は往々にして好戦的で,政治家は結局のところ世論にそう逆らえない.種を蒔くとか機が熟すのを待つという考えは,議論になると往々にして勢いで負けてしまう.困ったものだ.

 私自身は、第二次世界大戦は日本を含めた枢軸国と連合国との戦争であり、特に我が国はアメリカとの戦争であるという認識のもとに戦後社会で生きてきた。途中まではそうだったのだが、いろんな国の奴と話しているとどうもそうでもなさそうだということが分かる。インドの連中は日本と組んでイギリスと戦ったと言うし、アメリカ人は日本とも戦ったが基本的にドイツとの戦争だと思っているようだし(何より、朝鮮戦争ベトナム戦争の衝撃が大きくて二次大戦の考察が薄れてきているように見える)、中国系の連中は日本に戦勝したと教えられているし、イタリア人は日本と同盟していたことを良く理解していない。 日本人はアメリカに敗戦したと思っているから、二次大戦の戦争責任、侵略で中国人が怒っているのは筋違いだと感じてやいのやいの言うことに違和感を感じるわけだ。しかし、日本は実に巧妙に一国に対する敗戦に事態を集約させて徹底した太鼓持ちを続けることで冷戦下で経済的繁栄を遂げ、その他戦勝国に抜き差しならないほどの領土分割をすることもなく、いままさにバーカバーカと言いながら中国の反日デモを対抗デモするでもなく眺めている。これほど中国人の感情をさかなでする行為はないかな、と。

村上龍『半島を出よ』

面白かった.テロ対策については例によって役所の縄張り争いで色々と出遅れている.日本の閉塞感をよく描けていると思うし『希望の国のエクソダス (文春文庫)』と比べると,シナリオや背景もかなり丁寧だ.朝鮮半島への関心の高まりで,いい加減に書けなくなったというようなことを,巻末で村上龍が書いてたのを読んで納得.

半島を出よ (上)

半島を出よ (上)

日本の小児医療

ちょうど1歳と4歳の息子を持つ身としては他人事ではない.が,年間1万人近くが交通事故で亡くなり,年間3万人が自殺するこの国で,354人というのが多いのか少ないのか私には分からない.けれども大事なのは数字ではなくて,境界線に立つ子を持った親としては自分の子供が生きるか死ぬかであり,これだけ恵まれた国で,いわゆる先進国水準の医療を受けられない現実に対して,納得できるかということだろう.

日本のゼロ歳児の死亡率は、人口10万人当たり340人余りで、スウェーデンの337人に次いで低かったということです。ところが1歳から4歳の幼児に限ると、10万人当たり33人で、アメリカの34.7人に次いで高く、犯罪などで死亡したケースを除くと、死亡率はアメリカを抜いて14か国中、最も高くなっていました。日本の死亡原因で多いのは、肺炎や心臓の病気、それにインフルエンザなどだったということで、研究グループでは、幼児の医療水準をほかの先進国並みに充実させれば、毎年354人の子どもの命を救えると計算しています。

なんだかったネタ元を忘れたが、先日読んだ英文の記事だったと思うが、……米国の地域医療や小児科医療にもっと尽くしたと考えている若い医学生は多いが、その進学に借り入れた際の学資の返済を考慮して、どうしても高所得な医療現場を志向せざるを得ない、そこが改善できるシステムはないか……、というような話があった。
日本の場合、医学生と限らず、十分な奨学金は得難い。まして、出世払いで貸与する民間ローンもないように思う。小児科医を志向する医学生にどかーんと基金を打ち立てられないものかと思うが、そのあたりから夢想の領域になるのだろう。