雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

問題は内定取り消しより新卒偏重では

正社員だって整理されちゃう時代なら、内定を取り消されたって仕方ないだろって気もする訳ですよ。で、問題は内定取り消しそのものじゃなくて、それが今後のキャリアに大きく響いてしまう新卒偏重の方なんだよね。ところが首相のコメントとか労働基準監督署の指導とか、おかしな方向に走っている。役人も記者も新卒採用が多いから、自分が暗黙のうちに差別を認めていることに気づかないのかな。

どこの馬の骨ともつかない一般学生に100万やろうという話がでて、社会がそれに「かわいそうだ」とか同情する一方、100万円もあれば生きる事ができるかもしれない就職氷河期世代の非正規労働者に、本質的な意味での同情の声は上がらないわけですよ。

麻生太郎首相は10日午後の参院予算委員会で行われた経済・社会保障に関する集中審議で、企業による新卒者の内定取り消しが増えていることについて「これから(社会人として)スタートする人が、かなり大きな失望を味わう。あってはならないことであり、甚だ問題だ」との認識を示した。那谷屋正義氏(民主)への答弁。

真面目な話、この新卒一括採用という慣行のせいで、たまたま卒業年次によって大変な不平等が生まれ、運の悪いときに卒業したというだけで、キャリア形成が非常に難しくなってしまうし、学生だって就職活動ばかりに精を出して真面目に学問できない。大学3年の後半から就職活動に精を出し、というのもさることながら、修士1年の後半から就職活動って、お前いつ研究してるんだ!って話になるよね。できれば卒業してから、せめて大学4年の後半から就職活動くらいでいいんじゃないの?逆に学生であっても通年で中途入社できるとか。
マスコミとか人気企業では数千倍とか宝籤みたいな倍率で非常に優秀な人材を採れて、優良なB2B企業が採用に苦慮して仕方なくTVCMを流す、みたいな世界は異常。欧米の制度を参考に、採用時の年齢差別禁止とか、職歴があることに対する差別の禁止とか、真面目に検討すべきじゃないかな。例えば新規採用の新卒・中途比率に数値目標を設定して違反企業は割増雇用保険料率を設定するとか。新卒一括採用だけに固執して卒業年次差別を助長する企業には、ロスジェネ生活支援・雇用対策の費用を負担してもらうべきでしょう。