雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

次回のised設計研へ向けて

議事録の公開はだいぶ先になるが,土曜のised理研はかなり問題の本質に迫れた.これまでの混迷は『情報自由論』が刊行されていないが為に,その辺の問題意識に対してばらつきがあったことも一因だろう.ネット上の公共圏を巡る曖昧な議論が逸れはじめたのは,実は現実世界で自明であった私的空間の定義がサイバースペース上ではいたく難しいことに話が及んでからの第二部後半,最後の1時間くらいの議論でのことである.
前回の八田発表と並んで倫理研,設計研の議論の接合点がみえてきている.と同時に,次回の設計研はこれらの論点を網羅した上で,問題抽出と解決へ向けた選択肢の提示が求められよう.つまり

  • アーキテクチャの再定義可能性とは何か
  • ネット上の公共圏,私的空間を誰が線引きするのか

というふたつの問いを踏まえた発表が求められている.現時点で

  • 誰が情報社会を設計するのか

というお題で準備を始めているが,もっと論点を絞るかも知れない.ここで備忘録として,鍵となる論点を列挙しておこう

  • 構造の違いによる技術革新への適応性
  • モジュール構造とネットワーク外部性
  • 標準間競争と標準であることの根拠
  • 柔軟性と洗練とのトレードオフ
  • 取替可能性か相互運用性か
  • 分割統治された情報社会で民主主義の前提が成立しない理由
  • 「可能とする技術」が新たな政治的対立を生む理由
  • 泡宇宙を繋ぐ誰か