雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

準児ポについて総セクでのコンセンサスはない

議事録に「少なくとも現行の法律で違法であると明確に定義されている児童ポルノに関しては、合意がある」とあるように、会議として準児ポを規制すべきとか、ブロッキングすべきという合意には至っていない。ブロッキング自体、電気通信事業法の整理を要し、単純所持が違法化されない限り整理は難しいという総務省検討会での結論があり、ブロッキングの対象はあくまで所持やアクセスが違法な情報に限られると理解している。

これまでは現行法の児童ポルノを前提にした話だと思ってましたが、漫画が入ると、表現の自由との対立が激しくなります。
不都合なサイトは、知らないうちにブロッキングされてるかもしれませんね。

いずれ準児ポを規制するかは、児童ポルノ法の改正に絡んで民主主義の手続きを踏んで決めるべきで、勝手に役所主導で規制を厳しくしては、憲法の定める表現の自由に抵触するのではないか。準児ポについては自民党案の附則にあるように、これから漫画やアニメが児童を対象とした性犯罪を助長しているか等の調査が進むだろう。
しかし仮に因果関係があったとして、それを法的に規制すべきかは意外と哲学的な問題を孕む。例えば統計的にはヒーローものの特撮がいじめや差別を助長しているという結果が出た場合に、これを禁止すべきだろうか。統計的には犯罪を助長する表現であっても、表現として規制して構わないとは限らないのではないか。
しかし政府が民主主義の手続きに則って犯罪を助長する情報の発信やアクセスを規制することを、一概に否定することは非常に難しい。特に欧州諸国が児童ポルノに限らずブロッキングの対象を拡大している動きを踏まえ、これから議論は加熱するのではないか。
2ちゃんねるの管理がシンガポール法人に譲渡され、開示請求などの手続きが難しくなるようだ。誹謗中傷とか、違法薬物販売とか、賭博とか、日本語で日本人相手にサービスを提供する海外サイトへの管理が及ばないことに対する不満が鬱積すれば、なぜ違法行為を仲介するサイトをブロッキングしないのかという世論に抗しがたくなると懸念している。表現の自由が国家や社会にもたらす価値って、どうやって守ればいいのだろうか。