雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

流動性と長期的視野

経済が成熟すると地位で努力に報いることが難しくなるので,成果主義を取り入れたり,出世しようにも空きポストを探して職を転々としなければならなくなる.ここまでは,経済的基礎条件に根ざしている以上,受け入れざるを得ない.
けれどもそうすると今度は,みんな短期的な成果ばかり追ってしまいがちだ.PDCAサイクルが回るよりも早いペースでスコアカードをレビューしたり,job hoppingしてしまうと,周囲からの信頼とか長期的利益を大事にするヒトよりも,周囲の信頼や長期的利益を犠牲にしてまで短期的なスコアカードを綺麗にするヒトの方が評価されてしまう.そういう輩が現れると,そういう競争が加速することによって,組織としてはますますその傾向に拍車がかかる.いわゆる囚人のジレンマのように.
このループを止める方法はあるのだろうか.また仮に自分が能力を発揮し成長する機会を得るためにjob hoppingせざるを得ない場合に,組織で生き残りつつも中長期的な視野に立った意志決定を続けられるのだろうか.
僕はjob hopperだけど,何をやったってみるひとはみているし,個々の会社や上司からは逃げることができても,この業界からは逃げられないと思って中長期的視野で仕事をしているつもりだ.会社ではなく業界で生き残るために,というよりも自分自身の精神衛生とか自己同一性のために.青臭いかも知れないけど,そういう青臭さが何かのためになることもあるんじゃないかな.