雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

地上波を死守しているのは誰?

片や現場の方々がそこまで努力して、東京より少ないチャンネルしか楽しめない地方が少なくない一方で、片や空から何チャンネルも日本中に公共性の欠片もない通販番組ばかり流して、それでも赤字垂れ流しが止まらないBSデジタル放送とかがある訳だ。
簡単に東京と地方の格差や悪天候の冬山登山をなくすには、単に東京からキー局の放送を衛星で流せばよかったのではないか。「それが楽しみだ」という層は、テレビ東京を含めて東京で視ることのできる全てのチャンネルを受信できた方が嬉しいに決まっている。

個人的にはもう「地上波テレビ」というメディアは終わっていると思うのだが(何度も書いてるが、そう思うから辞めたのだ)、それが楽しみだという層は確かに存在していて、そういった人達にとっては「準ライフライン」だったりする。仮にこれからも存在し続けるのであれば、こういった「格差」は是正されて欲しいところ。具体的に何がどうということは考えられないけれど、「悪天候の冬山登山」を業務でしなきゃいけないってのは勘弁だと思う。

通信と放送の融合を何度も流産させ、衛星デジタル放送を飼い殺し、IPTVを骨抜きにしたのは他ならぬ地上テレビ局ではないか。昔なら放送の多様性が損なわれるという議論が成り立ったが、実のところ独自放送枠なんて無視できるほど少ないのだし、今ならMXTVのようにYoutubeで独自コンテンツを世界中に流した方がずっと世界が広がって無限の多様性を担保できるし、地元の番組をみたい地方出身者や好事家のニーズもカバーできる。
けっきょく地デジでは山間僻地の中継局更新コストを地方局が負担できず、そこは衛星同時再送信でカバーされることになった。衛星同時再送信はIP同時再送信と同様に、難視聴地域に限らず日本全国で受信できるようにすべきである。まさか空から降ってきている番組を地元の地方局の都合で受信できなくするようなことがあれば、いよいよ地方局と地域住民との利害が相反することになるだろう。
政治家にとって本当に怖いのは、地方局よりも有権者ではないか。ケーブルテレビの域外同時再送信に対する総務省の裁定など、盤石と思われていた地方局の外濠は次第に埋まりつつある。